第161話
俺はヒュドラの死骸があった辺りを調べている。当然俺一人だ。他の人たちは立ち入り禁止。アンちゃんが”当然”見たいな顔をして後について来たけど、キミもダメだからね。
アリア様から良く調べる様にとのご下命なので、丹念にそれこそ草の根を分ける様に調べた。いやぁ、疲れるよ。もう良いんじゃねぇの?と不埒な事を考え始めた時、小さな瓶が落ちているのを見つけた。透明な小瓶で、中には毒々しい赤紫色の液体が入っている。そしてその時、女神様のお声が聞こえた。
(あ、やっぱりあったんだ。)
アリア様、これはいったい何でしょうか?
(うーん、ジローさんに分かり易く言うと、ドロップ品かな。)
ドロップ品でございますか?今までこの世界で魔獣を斃しても、魔石が採れる以外に何かをドロップする様な事はありませんでしたが。
(この
このドロップ品の処置は如何すれば宜しいでしょうか。宜しければアリア様に献上いたしますが。
(
承知しました。私がお預かりする事に致します。
(もう他には無いようだから、これで失礼するわね。)
いろいろとありがとうございました。アリア様。
他に無いかもう一回りしたしアリア様からもokが出たので、みんなを呼んでも大丈夫だろう。早速
「特に異常はない様だ。エルフから見て、何か違和感はあるかい?」
「いや、以前と全く変わらない。森も、池も全て元通りだ。ありがとう、ジロー殿。」
「全部俺がやった訳じゃ無いからね。女神様のご助力があっての事さ。」
「あの、ジロー様。あの、そのう・・・。女神様の事についてお聞きしたい事がありまして。」
女神様との事は、俺にとってあまり知られたくない事なんだ。衆人の耳目がある中で話をするのは憚られる。
「分かった。この後邸に戻って話そうか。」
ナタリーの思い詰めた様な表情が、ほっとした様な笑顔になる。って、アンちゃん。背中を拳でグリグリするの止めて。今回はアンちゃんも同席して良いからさ。なんて言ったって、俺の秘密をすべて知っているのはアンちゃんだけなんだから。
大喜びでわいわい騒いでいるエルフ達を残して、俺たち3人は巫女の邸へと向かった。
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