第25話
「私が魔獣を倒すところを見ていて。私がジローさんとペアを組むに相応しいか見て判断して欲しい。」
と言う訳で、久しぶりにやって来ました大草原。と言ってもほんの端っこのところだけど。アンちゃんからここで魔獣を倒すから実力を見ていて欲しいとのお願いだ。
未だ雨のせいでぬかるんでいて、草も生えていて足場が悪い。わざわざこんな場所を選んだみたいだ。
最近は採集の仕事がほとんどで、その途中でほんのついでに害獣駆除している様な感じ。という事は収入の殆どは俺が稼いでいて、それを二人で分け合っている。アンちゃんにしてみればあまり働かずにお金を貰っている気がして、それが貢がせている様な感じでイヤらしい。真面目な子なんだね。俺だったら楽チン最高だけどな。
なんて思ってたら、早速お出ましになりました。おなじみステップウルフです。群れで18頭くらいいるかな。
「一人で大丈夫か?怪我するなよ。」
兵士のおっちゃんも群れで襲って来るから厄介だって言ってたし。おっさんは心配です。俺は少し離れた風下から隠れて見守っている。
「これくらいなら何とかなる。平気、見ていて。」
当たり前だが、今回は木刀ではなく真剣だ。ウルフはアンちゃんをぐるりと取り囲んだ。と、その時前から3頭、後ろから2頭のウルフがアンちゃん目掛けて跳びか掛かって来た。
アンちゃんは僅かな動きだけでウルフを避けるとすれ違いざまに2頭を切り倒した。
更に攻防が続いたが、最終的に群れの半数近くが死ぬとウルフは逃げて行った。
「ふーっ。」
深く息を吐いて呼吸を整えるアンちゃんに駆け寄った。
「すごいじゃないか。殆ど移動しないであれだけ倒すなんて。」
「ありがとう。これも修行の一つなの。それに
いや、おっさん真後ろから飛び掛かって来るウルフなんて避けられないよ。
「それで・・・どう?合格?ペア解消したりしない?」
何時もちょっとツンとしているアンちゃんがしおらしく見える。なんか可愛いな。
もちろんペアは続行する事にした。アンちゃんが気にしてただけで、元々俺の方は問題なかったしね。
その後二人でアンちゃんが倒したウルフの魔石を回収した。俺がいつものセラミックスナイフを使っていると、それを見たアンちゃんが
「それにしても真っ白なナイフなんて珍しいわよね。それも魔法で作ったの?」
そうだと答えると、珍しいし切れ味も良いから売れるかもしれないと言う。そういうお金の稼ぎ方もあったか。
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