第20話
因みに自分も鑑定してみた。
名前 :ジロー
性別 :男
年齢 :35歳
職業 :冒険者<魔導士>
レベル:87
スキル:言語理解(読み書き)
火魔法、水魔法、風魔法、土魔法
鑑定魔法、酒魔法
特殊 :女神アリアの加護(一部封印)
女神コーラスの加護<健康>
俺、魔導士だったのね。
結局俺はアンナと組むことにした。というか、アンナが俺の手を引っ張って強引に飯屋へ連れて来た結果なんだが。
「あたしの名前はアンナ。剣士で修行の旅に出てるんだけど、お金が底をついちゃって冒険者になったってわけ。あなたの名前は?」
「俺の名前はジロー。辺鄙な田舎の村から出て来た、しがないおっさんだよ。」
「職業は何なの?」
「一応、ま、魔法使い」
ちょっと控えめに言っておいた。だって魔導士なんて実績もないのに偉そうじゃない。
「へぇー。すごいわね。だから薬草なんかに詳しいんだ。」
何か良い様に勘違いしてくれたみたいだ。
「ねえねえ、どんな魔法が使えるの?」
「えーっと、火、水、風、土・・・」
「4元素とも使えるなんてすごいじゃない!」
この世界の人ってみんな魔法使えるんじゃないのですか、コーラス様?
料理はアンナに注文してもらった。だって、メニューは読めるけどそれがどんな料理かなんて分かんないし。
「え、何でもいいの?」
なんて目をキラキラさせるアンナ。こいつホントにちゃっかりしてるな。
「俺は酒も飲むけど良いか?」
こういうのは最初が肝心だからね。酒飲みは嫌いなんて言われたら涙出ちゃうよ。
「あ、あたしも飲もうかな?」
「お前、まだ子供だろう?」
「失礼ね、もう成人してるわよ。」
この世界では15歳で成人で、成人はお酒も飲んでよいという決まりだそうな。前世だったら補導されちゃうよ。
テーブルには何皿も料理が並び、ビール(エール?)の入ったジョッキも来た。それなりのお値段取られるだけあって、宿屋の飯より美味かった。エールは味はともかく、
アンナの様子を見てみると、料理をがっついている。よっぽど腹減ってたのかな。エールはちょっと舐めた程度。子供に見られるのが嫌で、無理して頼んだみたいだ。
「折角頼んだんだから酒も飲めよ。」
「分かってるわよ。」
アンナはジョッキを持つと、一気に半分くらい飲んだ。この世界にアルハラが無い事を祈ります。
実のところ、俺はこっそりビール魔法を使っていた。一番最初こそ掌にビールを出したのだが、それだとカップとか徳利に移し替える手間がかかる。練習の末、任意の場所に酒を出す事が出来る様になったのだ。
そのお陰で、本来俺のジョッキは飲んでも飲んでも空にはならないのだが、あんまりやり過ぎると不審に思われる。
「おねーさーん、エールお代わり。」
アンナを見るともう顔が真っ赤だ。
「顔が赤いぞ、無理するなよ。」
「馬鹿にしないでよ、あたしもお代わり。」
結局アンナは2杯目の途中で眠ってしまった。残ったエール?もちろん俺が飲みましたよ。もったいない。
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