第21話
大した話もしないうちに寝ちゃったよ。そんなに強くないのに無理して飲むから。もしかして酒飲むのも初めてだったのかも。
二人で組もうと言う話をするはずだったのに、名前しか聞いてないぞ。鑑定したからちょっとは知ってるけどね。しかし、放って帰るわけにもいかんし。
結局俺はアンナをおぶって自分の宿屋へ帰る事にした。アンナがどこに泊まっているか知らんしな。
アンナをおぶって帰って来た俺を見た大将はにやっと笑って、
「あんまり大きな音を立てるなよ。」
とだけ言った。そういう意味で連れて来たんじゃないんだがな。
アンナをベッドに寝かすと俺は収納から草を取り出した。この前までお世話になっていた俺のベッドだよ。床に敷いて寝床を作った。
(これからお楽しみかい?このまま寝込みを襲っちゃえば。)
突如コーラス様のお声が頭に響く。コーラス様、こんなところだけ覗かないでくださいよ。襲いませんよ。自慢じゃないが、前世でも俺は魔法使いだったんですよ、別の意味で。
そう言えば自分を鑑定した時に疑問に思った事をお聞きしてみた。
(コーラス様、頂いた加護が”健康”となっていましたが、最強の肝臓ではなかったのでしょうか。)
(ああ、あれね。肝臓だけ強化するなんて面倒くさいから全身強化しておいたわよ。)
(筋力はあまり強化された様に感じませんが。)
ガチムチになってないしね。
(強化してあるよ。おまえは元が貧弱だから、強化しても一般人より少し力が強い程度にしかならなかったんだな。)
強化して一般並みとは・・・もっと体を鍛えておけば。
(筋力は別にして、他は良くなっているはずだぞ。お前はイメージするのが得意みたいだから、魔法は結構使えたろ?)
確かに4元素使えたし、酒魔法なんて良く分らない魔法も使えるし。
(そこで寝てる子はお前と相性がいいぞ。これからもっと伸びる。だから早く唾つけちまえ。)
確かにアンナの寝顔をみると可愛い顔をしている。いや、可愛いと言うより美人だな。模擬戦の時とかキリっとした顔してた。でも酒飲ませたら台無しだ。
正直ストライクゾーンなのだが、16歳ですよ16歳。前世だったら淫行で捕まっちゃうよ。
(大丈夫だ。その娘も言ったが、この世界では15歳で成人だ。結婚も出来る。)
いつもの如く、考えを読まれてます。
でもコーラス様、何時もは話しかけて頂けないのに何故このタイミングなのでしょうか。やっぱり覗き趣味が?
(馬鹿を言うな。アリアがうるさいのだ。やれ、ジローは元気にしているかとか、ジローは死にそうになっていないかとか、毎日の様に押しかけて来るんだ。)
(それは俺を出しにしてコーラス様に会いに来ているのだと思いますよ。)
アリア様の圧が強いのか、コーラス様が鈍いのか、どっちなんだろうか。
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