第2話
次に目を覚ますと、さっきとは違う女神様が胡坐をかいていた。
(おいおまえ)
いきなり女神様からお声をかけて頂いた。
(名前はなんて言うんだ?)
生前の名前で良いのかな?
(山田次郎、と申します。)
(じゃあ、お前の名前はジローでいいな。)
適当に名付けされた。
(で、ジロー。お前アリアから結構色々な加護を貰っているな。悪いが世界のバランスが崩れるので幾つか封印するぞ。)
(アリア様とは以前の世界の女神様のお名前でしょうか?)
俺が質問すると、ちょっと機嫌悪そうに女神様はお答えになった。
(あたしの名前はコーラス。覚えときな。きっと良い事があるぜ。)
(承知しました。コーラス様。)
とりあえず、俺は新しい女神様に服従する事にした。だってそれ以外ないじゃん。
(それで、私は何をすれば宜しいのでしょうか?)
女神様にお尋ねしてみた。
(ん?、特に何もしなくていいよ。自由に暮らして。)
何か使命があるのかと思っていた俺はおったまげた。
(自由に暮らして宜しいので?魔王の侵略を阻止するとか、文明を発展させるとか・・・)
(だって、偶然来ちゃった人に色々させたら大変でしょ。ゆる~く生きてていいよ。)
女神様から自由を頂いた。
(とは言っても、こっちの世界で不自由ないくらいの事はしてあげるからさ。)
コーラス様お優しい。
(アンタの居た世界で、異世界転生ってのが流行ってるんでしょ。特別に3つまで付けてあげるよ。)
うーむ、悩む。俺だってラノベを読んだ事があるからなおさら悩む。それに、アリア様に頂いた加護も気になるし。
(アリア様に頂いた加護はどの様な物でしょうか?)
(内緒)
・・・性格悪いなこの野郎。
(いや、あたし女神だから、それを言うならこのアマじゃない?)
くずな人間の心などお見通しらしい。くわばらくわばら。私は忠犬ジローです。ワンワン。俺の性格からして、長いものにはぐるぐる巻きだ。
(女神様に能力を頂く前にひとつ、お聞きしておきたい事がございます。)
(なーに?)
面倒臭そうに女神さまは返事された。
(この世界と以前の世界の違いはどの様な物でしょうか。)
(大きく言って、前の世界は魔法がないけどこの世界では魔法があるって事かな。あとは魔獣とかいるけど、大体おんなじ。)
(私も魔法が使えるのでしょうか?)
(使えるっしょ。)
おら、わくわくしてきたぞ。
(基本的な魔法は誰でも使えるから、それはおまけしておいてあげる。)
なんと最初から魔法が使えるらしい。ラッキー。
(アンタの居た世界には魔法は無かったでしょ。使い方を簡単に説明したげる。要はイメージよ。グーっと溜めてバーっと出すのよ。まあ、あとは詳しい人にでも聞いてみて。)
コーラス様って、優しいのか投げやりなのか、どっちなんだろう。
(そろそろ特典決まったかな。)
コーラス様から頂く能力は、とりあえず定番で行こう。
(ではコーラス様。まず一つ目は、言語理解(読み書き)に致します。)
(ふんふん)
(二つ目は、鑑定能力です。)
(まあ、いいっか。)
(三つめは、最強の肝臓です。)
(へっ?)
いや俺、酔っぱらって階段から落ちて死んだ訳だし。同じつてで死ぬのは嫌だよね。
(今生は酔っ払って死ぬ様な事はしたくないなー、と思いまして。)
(そんなんで良いの?まあアンタが良いならいいっか。)
あきれた様にコーラス様は仰った。
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