第2話 あなたとわたし
「あなたとわたし」
もう二度と、会えないということ
あなたの作るご飯が食べられないということ
あなたとハグできないということ
あなたにハグできないということ
あなたを守れないということ
あなたを守れなかったということ
あなたの声が聞けないということ
あなたのつまらない冗談が聞けないということ
あなたがもう私に向かって微笑まないということ
私がもうあなたに微笑むことができないということ
あなたと笑い合えないこと
ある日のけんか
取るに足らない原因
あなたの怒った顔
もう二度と、会えないということ
あなたと手を、繋げないということ
あなたと歩くことができないということ
あなたと歌えないということ
夕暮れ
土手に重なるあなたと私の影
川のせせらぎ
あなたの後を追えないということ
あなたの跡を辿ること
ある雪の日
あなたの踏んだ足跡を辿るように歩いた
あなたの背中
もう振り返らない
冷たい手のひら
ポケットの中は、誰も知らない
白く息を吐いた
もう、振り返らない……
こぼれた水滴 水越ユタカ @nokonoko033
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。こぼれた水滴の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます