こぼれた水滴

水越ユタカ

第1話　あなたのこと／さよなら／Hey,Mr.

「あなたのこと」


あなたの好きな曲の流れる商店街で

あなたの好きな花を見つけた

特に意味も無く見つめていたら

そうしたら、

なぜだかすごく、

泣きそうになった



＊


「さよなら」


「さよなら」は別れの言葉だと、思います


もう二度と出会うことはないのだと

言い聞かせるように

もう二度と出会わないために

戒めのように

もう二度と出会わないようにと

祈るように


出会ったなら溢れてしまうから

あなたに言わせたくはないのです

あなたに、言われたくはないのです


「さよなら」は別れの言葉なのです



＊


「Hey,Mr.」


Mr.Blue、

夏のような爽やかさと、

空のような誠実さ、

海のようなその色を映した大きな君に似合うのは

開放感に満ちた

青


Mr.Red、

炎のような情熱と、

爆発的なまでの生命力、

ひとを奮い立たせるような勇気をもつ君に似合うのは

燃えるような

赤


Mr.Yellow、

カナリアのような軽やかさと、

向日葵のような明るさと、

宵闇に輝く月のような強さをもつ君に似合うのは

まぶしいくらいの

黄



＊

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る