祈
土下座男の顔を見た瞬間分かった事。彼は間ではなかった。じゃあ誰だったのか。私は別の記事で彼の顔を見つけた。それは間洋一の娘を轢いた運転手の顔だった。そして彼も自殺をしていた。
内容を見る限り居眠り運転だったそうだ。そして小学二年生の間の娘を轢いてしまった。
自殺をした理由までは分からない。自責の念なのか何なのか。ただ、彼の祈りを考えれば胸糞が悪くて仕方がなかった。
“殺してください殺してください同じように巻き込んでください”
あまりにも自分勝手な祈りだ。誰でもいいから自分と同じような目にあえと彼はずっと祈っていたのだ。
“祈りが通じて、誰かがそれを叶えるから、祈りは現実になるの”
そしてそんな最低で最悪な祈りを誰かが叶えてしまっている。
だから今日もどこかで、何の罪もない小学二年生の女の子は事故で死に、その子を轢かされた運転手は一生苦しみを抱える事になるのだ。
“こんなの、どうしようもないよ……”
あの男の笑顔の意味。それはきっと、自分の祈りが叶っていく事への喜びから来るものだったのだろう。
『小学二年生の****ちゃんが車に轢かれて亡くなりました。運転していたーー』
土下座男 見鳥望/greed green @greedgreen
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます