第25話・望まぬ交戦

レフトはレフト・シンが用意したメニューをこなして剣を体に早く馴染ますイメージを続けてそのレフトの気持ちを汲み取ったのか剣はレフトの魔力を感じ取って上手く魔力を剣に乗せてレフトの動きに合わせて剣は魔力をコントロールしていた。どれくらい時間が経ったのか分からなかったが、少し経験値が高まった実感がした。レフト・シンに再び神殿に呼び出されて剣を持ってレフトは来たが、そこにはレフト・シンは見当たらず代わりに奥に剣が置いてあった場所にワープゲートが開いていた。しかし、このワープゲートを使っていざ戦おうとしても死んでる事実は変わらないと思ったが、その考えは直ぐに打ち砕かれた。何故ならいつの間にか後ろにいたレフト・シンが強引に押してきてワープゲートに触れてしまったからだ。

「行ってこい、激弱勇者さん」




レフトの意識は徐々に戻っていき突然の濃い闇に体が拒絶反応を起こすと思ったが、思いの外、体は軽かった。そして体どこもケガがなく寧ろ以前ヤズパと始めて対面した時よりも体の調子が良い気がした。レフトがいたのは安らぎの蛹の内部だったが、二人はその場におらず上を見上げても二人はいなかった。レフトは警戒を続けていると石の破片を見つけた。その石は元々レフトが持っていたお守りのような存在で”光”が込められていた。石の破片に意識がいってると先が尖った闇の胞子の弾丸の雨がレフトを襲いかかって来た。レフトは剣先に魔力を込めようとすると顔にアルファベット「L」の字が浮かび上がり、剣は細くしなやかで大剣になった。その剣の特徴とこれまでの経験を活かして全ての闇の胞子を斬り裂いて斬らさかれた闇の胞子は怪しく光り、壁から拍手しながらヤズパが出てきた。


「待っていたよ”光のお兄さん”」

ヤズパの闇の量はデスボダ、作り替えられたリイロよりも多くて余裕が垣間見れていた。レフトは何故この剣でまた覚醒出来たのか。意識もありつつ自分が覚醒して敵を倒したい気持ちが実現したのか分からなかったが今はそれを深く考える事がなく、ただヤズパの出処を探っていた。ヤズパは自分から攻撃してこないと思ってレフトは足に魔力を集中させて一気に距離を詰めて剣を振るった。ヤズパは剣先ギリギリを避けてレフトの背後を取った。しかし、レフトはすぐさまそれに対応して再度距離を詰めて剣を振るった。それを何度も何度も繰り返してる後にヤズパは埒が明かないと感じて上に飛んで闇を集めた波動を放った。レフトは急な攻撃変更で少々動きが止まったがそれを察したのか剣が強く発光した。レフトはそれに答えるかのように魔力を剣先に集中させて波動をぶった斬った。


斬られた波動は周囲に闇がバラバラに散らばってレフトの視界が悪くなった。奪われた視界を剣で振るって回復しようとした瞬間、背後からヤズパが襲撃してきた。レフトは急いで剣を盾にしてヤズパの鋭い爪先の攻撃を凌いだ。

「へぇ~。 ”魔力と光”の”同時使い”やるじゃん」

レフトが覚醒している状態に限り魔力と光を同時に使えて、光は覚醒状態でないと利用出来ない事はヤズパは事前に知っていたが生で味わって感動さえ覚えていた。ヤズパは指を鳴らすと壁が一部穴が空いてそこから強い闇の反応を感じて警戒を続けると、穴の中から濃い闇を纏ってレフトの知らない姿のが現れた。



シールディアはテント内で寝ていたが、鞄龍ヲゲナの寝返りで起こされて外がヤケに騒がしいと感じて外を見てみたらグレアスが全身血だらけで倒れていた。一緒に寝ていたサニーンに頼ろうとしたが、いつの間にかサニーンはどこかに行ってしまっていて、探すよりもグレアスの方を優先してシールディアは知ってる治癒魔法・治療方法で試みたがグレアスの心臓は動いてるものの容態が良くなったとはいえず、八方塞がりでいるとヲゲナも起きて高い鳴き声を上げた。それでシールディアは思い出したのかヲゲナの体毛の中に手を突っ込んだ。ヲゲナの体毛は分厚く魔力が篭っていない全力のパンチを受けてもビクともしないのが特徴で、体毛の中に数枚だけ治癒効果のある特別な毛が生える事があって、それを思い出したシールディアは必死で探した。自分では特別な毛の場所は分からないヲゲナは応援していると何とか普通の毛よりも硬い特別な毛を見つける事が出来た。


シールディアは特別な毛に魔力から変化させた光を込めて導き出した量をブレンドした回復薬をシールディアに飲ませた。シールディアは一息ついて様子を見ようとした時、さっきよりも騒がしく大きな声をヲゲナが上げたのを何事かと思ったが、グレアスの血の匂いを嗅ぎつけたのか魔物の群れが近付いてきた。




ヤズパはグレアスの瘴気を消す魔法陣の効果で吐血して意識が朦朧だった為、アジトに退散しようと考えたがアジトにワープするのはコントペウだけで自分は近くの村や、魔物や動物を殺して治癒する方法を思い付いてそれを実行する事に成功した。アジトにワープしたコントペウはヤズパに説明を求めたのに無視された上、自分だけアジトにワープされた事に苛立ちを覚えていて別行動で実力ある人間を倒そうと考えた。ヤズパはアジトで他のスネクダから強い奴と戦えないか情報集めしようと多くのスネクダが集まる一室に入った。


「思ったより被害が出なかったみたいだけど」

そうスネクダの情報屋ヨヨアの冷めた目でコントペウは言われた。いつもはスネクダが集う所だがヨヨアとスネクダのボス、そして怪しげな色水の入った機械の中に入れられた人間のみだった。コントペウはヨヨアに情報を要求したがヨヨアは何か知っている様子だったが知らないと嘘を付いた。その代わりに安らぎの蛹内での戦闘状態を教えた。ヨヨアの能力はスネクダが闇を利用して攻撃・術式を発動した際に視覚化出来てこの能力を使って様々な情報を入手可能にしていた。そしてその視覚化したものを特殊な機械で映像化して皆に共有可能にしていた。映像にはヤズパとレフトが丁度戦闘中でレフトが覚醒状態で光の反応があった。コントペウも一戦混じりたいと思ったがそんな中、安らぎの蛹の壁から闇の力を解放したデスボダが現れた。コントペウはそれを見た瞬間ヨヨアに駆け寄り、安らぎの蛹に飛ばすよう迫った。ヨヨアは横目でボスの方を見るとボスはコントペウの人差し指を切り落とした。

「黙って見ていろ。 ゴミ駒」

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