Don't mind 02
リチャード・プリチャード。
その探偵は、パーティ稼業を含む各界において有名だった。
人探し・身辺調査と言う一点においては“地上最強の探偵”とすら言われている。
所詮は正式な書類に記載出来ない職業。
御大層な地位は無いが、それでも彼を“解っている”人間からの依頼は絶えない。
「なんて事はない一個人なんだが、それなりに長期で調べて欲しい。もちろん、報酬は言い値でいい」
依頼者は、どこぞの中堅パーティのリーダー。メルクリウスとか言ったか。
対する調査対象は、本当になんて事はない一個人だった。下手な要人や著名人を追えと言われるより、ある意味では骨の折れそうな仕事だった。
だが、リチャードは、依頼者の真意を詮索するような素人では勿論無かった。
ただ、ここまで自分をナメているような依頼を、こちらの言い値で持ちかけてきた事実には興味をそそられたのも事実だった。
こう言う仕事を持ってくる奴は余程の馬鹿か……ヤバい本心を隠している。
どちらでも構わなかった。
こう言うサプライズがあるから探偵業はやめられない。リチャードは、改めてそう思った。
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