第3話 サークル活動!?

昼休み(周は話し相手がいないので自分の席で考え事をしています)


「男同士で手を繋ぐのがきもい」か…。彼奴らは軽率に僕らを笑っただけ。罪悪感なんて1ミリも抱いてないだろう。

でも少なくとも僕の心には刃が刺さったかの様にズキズキと痛くなった。恐らく爽真もだろう。自分の価値観があんな形で否定されたら誰だって傷を負う。

仮に「やばい」とか思っても口に出す必要なんてひとつもないのに。

みんなと少し違うからってどうして変わった目で見られるのだろう。何も悪いことなんてないのに。ねじ曲がった価値観が僕らのような人の居場所を圧迫させる。もうこんな世界で生きるのが辛くなってきそう。


そういえば、ツイッターでそのための垢を作ったではないか。

僕は通学様のリュックのチャックを開け、内ポケットに入ってるスマホを取り出してツイッターを起動させた。(スマホ使用が許可されている学校です。)


あ、DMの返信がきてる。


パッチくん「フォローお返ししますね!なんとお呼びしたら宜しいでしょうか?」


彼が1人目のフォロワーとなった。


「お好きな様に呼んでください!呼びタメでも!」


パッチくん「ではSyuと呼ばせていただきますね。 俺のことはしゅわくんって呼んでください」


Syu「ではしゅわくんと呼ばせていただきます!これからよろしくお願いします。」


パッチくん「あ、タメでいいですよ。よろしくね」


Syu「じゃあこれからはタメで話すね。早速話しいことあるけど話していいかな?」


パッチくん「もちろん!なになに~?」


Syu「今日電車でお相手さんと手繋いでたら知らない人にキモいっていわれて…。」


パッチくん「それ心の傷えぐない?」


Syu 「めっちゃえぐい。」


しゅわくん「みんなが俺らみたい方がいるってことを理解してくれればいいのに」


Syu「ほんとそれな。」


パッチくん「あっ、俺らのことを理解してもらうためになんか活動するとかはどうかな?」


Syu「うーん…。僕達が活動しても誰かに届くのかな?」


そもそも僕に活動する時間なんてあるのか。


パッチくん「確かに俺らはそんなに有名じゃないし、活動したって誰の気にも止まらないかもしれないね。だから…」


Syu「だから?」


パッチくん「誰かに協力してもらう!人数は多い方が影響力ありそうじゃん☆」


Syu「確かにね。」


パッチくん「のんびーりでもいいからさ、理解してもらうために活動したいな」


パッチくん「今日家に帰ったら、サークルに参加してくれそうな人募集かけてみる」


Syu「ありがとう。用があるから落ちるね。話してくれてありがとう。」


パッチくん「こちらこそありがとうな。楽しかった。バイバイ~」


Syu「またね。」


僕がサークル活動…か。一体これからどうなってしまうのだろう。


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