第22章ーセフィロトの兄弟ー8
「――僕に気安く触るな、擬い物め……! お前など我ら聖天使の『兄弟』ではない! 僕がこの世で唯一、兄弟と呼ぶのは同じ月日に生まれた『セフィロトの兄弟』のみ。後から生まれてきたお前を僕は自分の弟などと思ってはいない!」
「ッ…酷いよ、兄さん……。何でそんな、冷たいことを言うの? 僕のことが嫌いなの?」
『ええい、その手を離せ! 僕に触るな! 僕に触れるな! 僕を見るな! 僕に笑うな! 僕に気安く馴れ馴れしく話しかけるんじゃない!!』
その瞬間、押し倒すように突き飛ばすと誤って彼の力が暴走した。そして、ガブリエルの左目を魔力で傷つけた。
右目を傷つけたられると、ショックのあまりに呆然とした表情で彼の方を見た。地面に赤い血がポタポタと流れ落ちたまま、ガブリエルは悲しみに震えた声で兄に話しかけた。
「ウリエル兄さん……な、何で…――?」
傷ついた瞳で彼の顔を見た。その問いかけに、ウリエルは冷たく答えた。
「僕は……」
その言葉は彼の心を一突きで貫いた。ショックの余りに涙を流した。片目から赤い血の涙が頬につたり落ちた。
「ううっ……!」
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