第21章―竜と少年―17

「味の保証は出来ないからなら……!」


 カイトは照れた表情でそう話すと、隣でサンドイッチを食べ始めた。


「あ、ありがとうございます……!」


「別に良いよ。それより動いたから腹減っただろ?」


「はい…――!」


 彼が尋ねるとユングは素直に返事をした。


「掃除も一息ついたし、昼飯にしようぜ!」


 ユングは彼と一緒に屋根の上で、サンドイッチを仲良く食べ始めた。中には卵とハムが入っていた。カイトは隣で食べながら一言呟いた。


「あ、あのさ……。さっきはありがとな?」



「え……?」



「俺の話聞いてくれて…――」



 隣でそう呟くと、恥ずかしそうに自分の鼻を擦った。ユングは彼の気持ちを察すると、何も言わずに相づちをした。



「なあ、ここから見る気色、なかなかだろ? ここは、俺のお気に入りの場所なんだぜ?」


 カイトはユングにそう話すと楽しそうに笑った。


「…あの、カイトさんはいつ頃からこの仕事を始めたんですか?」


「ああ、一年半前からかな。元々は小遣い稼ぎで始めた仕事だから、自分でも長く続いてるなって思うよ」


「そ、そうなんですか……!」


「お前は?」


「僕は半年前からです」


「そうか。じゃあ、まだ入って間もないのか?」


「はい……!」


 2人は話していくうちに段々と打ち解けてきた。



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