第21章―竜と少年―16
ユングは一人、掃除を続けた。暫く経つとカイトが再び戻って来た。竜小屋の2階には藁束が積み重ねて置かれていた。そこをホウキで掃きながら綺麗に床を掃除した。一人で掃除を続けていると、真上から声をかけられた。ふと上を見上げると天窓にカイトが居た。ユングは天窓の下から声をかけた。するとカイトは天窓を開けて上から梯子を降ろした。
「新入り、いいから登ってこい…!」
「え…?」
「早くしろ…!」
「わ、わかりました…!!」
ユングは彼に命令されると、天窓の上から降ろされた梯子を登って屋根へと上がった。屋根へと上がると地面が遠く見えた。ザッと3階建てくらいあるような距離だった。屋根に上がると慎重に歩きながらさらに上へと上がった。カイトは屋根の天辺に腰を下ろして座っていた。ユングは屋根の天辺に上がると彼の隣に座った。
「カイトさん…あの、もう大丈夫なんですか?」
「ほら…!」
「わっ…!」
カイトはぶっきらぼうな口調で振る舞うと、食べ物が包まれた紙を手渡した。くるまれていた包みを開けると、中にはサンドイッチが入っていた。
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