第4話
ぱちっ。
目を開けると、そこには、……いや何も無いよ。普通無いよ。普通ね、うん……。
また私は目を閉じた。いやだっておかしいじゃん。意味わからんやん。右目金色で、左目黒色で、きっれぇいな長い銀髪の人? がさ、浮いてるのおかしいじゃん。しかも人の顔をまじまじ見てさ……。
私はまた目を開ける。……うん、いるな。なんか知らないけど目を輝かせているな。
「誰」
多分きっと今までで一番低い声出た。
「いやしかし、あんな方で大丈夫なのか? 」
「口を慎めヴィー。私たちがお仕えするのはあの方なんだぞ、生涯かけて、お仕えするのは……」
「わかってるさ俺だって! そんなに言わなくてもいいだろう! 」
「分かってなさそうだから言ったんだ」
二人は並んで本講堂への廊下を歩いていた。ガタイのいい、腰には剣をたずさえている男は、ロズリア、アミュローゼスの守護騎士、ヴィーゲンシュタット。通称ヴィー。特徴は、短く切り揃えられた、艶やかな黒髪だろうか。はたまた、夏を思わせるような澄んだ黄緑の瞳か。とりあえず外見はそれなりに整っている。
そんなヴィーの隣を歩く、金髪美女はアニス。アミュローゼスの第一補佐官である。身長は低いが、深い青い瞳は全てを見過ごしているような、そんな不思議な感覚をおぼえる。長い髪をひとつのお団子にしており、右手には何枚かの書類がある。
そんなアニスとヴィーはせっせっと足を進める、きちんとアミュローゼスに伺うため。
しかし二人は知らない、その本講堂でアミュローゼスは困難に直面していることを。
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