第3話

「教主様! 着きましたよ」

「……え? 」


 死んだ魚の目から、人間のそれに戻った途端、目の前には、王城ですか? くらいの規模の城、もとい、ロスタ教の本拠地である城があった。

 これが、あの、ラヴィーエビト城か……。

 真っ白な外壁を見上げても見上げても一番上は見えない。大きさに呆然とする私。

 ……大きすぎやしないか? こういっちゃなんだけど、ただの一宗教よ?

 頭の上にたくさんのハテナがあったのだろう、補佐官が「こんなものじゃありませんよ」と私に補足した。




 それからは怒涛の勢いで、物事が進んで行った。城の案内から始まり、諸々やって、最後に改名。現ロスタ教でトップの偉い人から洗礼を受け、私はアミュローゼスとなった。うん、なんか、……ごてごてね。てか言いづらい。


 少し経って一通り終わり、一人残された。何気なく、木製の椅子に座り、先程受けた洗礼の時の言葉を思い出す。

 目を瞑ると、その情景がありありと浮かんでくる……。


「〜〜これからアミュローゼス〜〜、ロスタ教を〜〜〜〜〜に導〜〜くださる、と〇〇〇様が〜〜〜おります」


 偉い人がそう言ってる、はず。所々聞こえなかった。いやそれよりも、ロスタ教の唯一神の名前が聞こえなかった。

 なんで? 答えは分からない。

 ……もっと言うと耳に何かが触れている感触がした。

 なんなんだ一体。ただでさえ混乱して疲れているというのに。……とりあえず一息つこう。ふぅ、と息を吐き、目を開ける。

 するとそこには、……。

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