第2話
話を遡ろう。
私はロズリア。私の両親は敬虔なロスタ教徒で、正統とされているホローズ派である。両親は、私が光の通り道と言われるものを指摘したことを、泣いて喜んでいた。結構小さい時だったはず。今思えば、あれは教主になる予兆だったのかもしれない。……うーん、頭が痛い……。
頭を抑えていると、左の騎士が口を開く。
「大丈夫ですか? 教主様」
「いや、うん、……大丈夫です」
あたふたする私の言葉を聞いて、目を丸くする。……えなんで。
「大丈夫なら良かったですが、私は貴方様の護衛騎士なので、敬語でなくて平気ですよ」
ふはっ、と笑った後、そう言った。
へぇー、ふぅんー、結構整っている顔立ちだなぁ、笑った顔かぁわい。こんな人が私の騎士……ってなんか凄い偉い人みたいじゃないか!!
「実際貴方様は偉いので、驚かなくて大丈夫ですよ」
え、私の心読んだ? 怖いんですが……。
「そんなに引かないでください」
表情で察したのか、呆れたような声で言う彼女。
「ちなみに私は貴方様の補佐官ですので、あいつと同じように敬語は結構ですよ」
あ、そう。……んで……。
「あの、あいつって……」
「そこのポンコツ騎士です」
ぴしゃりと言ったなあ、もう一回言っとくけど、ぴしゃりと言い放ったぞ?
「おいっ! 俺はポンコツじゃないぞ! 」
「何を言うのよ。今までの行動を良く鑑みてご覧なさいよ。よく教主様付きになったものね、びっくりだわ」
「おい!! 」
……どうやら二人は知り合いみたい。うん、でも、……真ん中の私を挟まないでくれるかな。
ぎゃあぎゃあ言い合う2人に対して、私は死んだ魚の目で、やり過ごすことを決意した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます