第2話

 話を遡ろう。

 私はロズリア。私の両親は敬虔なロスタ教徒で、正統とされているホローズ派である。両親は、私が光の通り道と言われるものを指摘したことを、泣いて喜んでいた。結構小さい時だったはず。今思えば、あれは教主になる予兆だったのかもしれない。……うーん、頭が痛い……。

 頭を抑えていると、左の騎士が口を開く。


「大丈夫ですか? 教主様」

「いや、うん、……大丈夫です」


 あたふたする私の言葉を聞いて、目を丸くする。……えなんで。


「大丈夫なら良かったですが、私は貴方様の護衛騎士なので、敬語でなくて平気ですよ」


 ふはっ、と笑った後、そう言った。

 へぇー、ふぅんー、結構整っている顔立ちだなぁ、笑った顔かぁわい。こんな人が私の騎士……ってなんか凄い偉い人みたいじゃないか!!


「実際貴方様は偉いので、驚かなくて大丈夫ですよ」


 え、私の心読んだ? 怖いんですが……。


「そんなに引かないでください」


 表情で察したのか、呆れたような声で言う彼女。


「ちなみに私は貴方様の補佐官ですので、あいつと同じように敬語は結構ですよ」


 あ、そう。……んで……。


「あの、あいつって……」

「そこのポンコツ騎士です」


 ぴしゃりと言ったなあ、もう一回言っとくけど、ぴしゃりと言い放ったぞ?


「おいっ! 俺はポンコツじゃないぞ! 」

「何を言うのよ。今までの行動を良く鑑みてご覧なさいよ。よく教主様付きになったものね、びっくりだわ」

「おい!! 」


 ……どうやら二人は知り合いみたい。うん、でも、……真ん中の私を挟まないでくれるかな。

 ぎゃあぎゃあ言い合う2人に対して、私は死んだ魚の目で、やり過ごすことを決意した。

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