第2話『魔人と術士達』

ー祈祷術士ー

祈りを力に変える不思議な術を操る。

想像を力に変えると言えばわかりやすい。

思い浮かべた物を物質化し、用いる。

焚き火をイメージすれば火の玉を…

雨をイメージすれば水の塊を…

自分が経験した物事や想像力によってその力は大きく左右される。

最も、それを戦いの為に使おうとする者は今まで居なかったのだが…


 魔人と術士との戦いは熾烈しれつを極めた。

人間の能力を超越した祈祷術の力を持ってしても、魔人の力の前には歯が立たなかった。

たった一体の魔人に無数に居たはずの術士達が次々と倒れていく…力の差は歴然だった。


誰もがこのまま、人類は滅ぼされてしまうのではないかと心のどこかで思い始めた頃…

ある1人の術士が立ち上がる。


彼は数多く居る祈祷術士の中でも

と呼ばれ、実力・知名度共に誰もが認めるNO.1だった。


 魔人が地球を侵略しようとしているまさにその時、その天才術士はまだ見ぬ景色を求めて地中奥深くへ潜り、修行をしていた。


初めはただの地震かと思っていたが、そのあまりにも大きく何度も続く揺れに違和感を抱き、外の様子を見に来たのだ。


ーそこで初めて知る現実ー


自分以外の術士はほぼ全滅…悲しみに明け暮れる暇もなく、彼はこの戦いを終わらせる為に魔人の元へ向かった。


拳を握り締め、頬に涙を浮かべながら。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

古の魔人と祈祷術士 魔鎖狩ヨキ @FOURA

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ