(四)(了)

 そこは森丘市内にある「餐飲さんいん至福しふく」という、中華料理屋っぽい雰囲気のレストランであった。昼は食事処として、夜は居酒屋として営業していた。

 その店の駐車場に車を駐めると、そこには忠徳が先に来て待っていた。

 小松家と木ノ本家が合流して店内に入った。テーブル席やカウンターのある方ではなく、店の端の宴会室の方に通された。そして二台の大きな円卓に分かれて座った

 忠徳が部屋を出て「お願いします」と言うのが聞こえた。

 そしてその後、一人の店員が入ってきた。

 忠徳の父親が「きたきた」と店員を迎えると、小松家の面々に向かって言った。

「こちらが、先ほどお話しした筒石です。どうでしょう、見覚え、ありますか」

 そう言い終わる前に、美代は立ち上がっていた

 そして一言呟いた。

「お父さん」


(了)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

婚約祝いの場にて 【い-14】文学フリマ京都_筑紫榛名 @HarunaTsukushi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画