(四)(了)

 そこは森丘市内にある「餐飲さんいん至福しふく」という、中華料理屋っぽい雰囲気のレストランであった。昼は食事処として、夜は居酒屋として営業していた。

 その店の駐車場に車を駐めると、そこには忠徳が先に来て待っていた。

 小松家と木ノ本家が合流して店内に入った。テーブル席やカウンターのある方ではなく、店の端の宴会室の方に通された。そして二台の大きな円卓に分かれて座った

 忠徳が部屋を出て「お願いします」と言うのが聞こえた。

 そしてその後、一人の店員が入ってきた。

 忠徳の父親が「きたきた」と店員を迎えると、小松家の面々に向かって言った。

「こちらが、先ほどお話しした筒石です。どうでしょう、見覚え、ありますか」

 そう言い終わる前に、美代は立ち上がっていた

 そして一言呟いた。

「お父さん」


(了)

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婚約祝いの場にて 筑紫榛名@12/1文学フリマ東京え-36 @HarunaTsukushi

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