(三)-6

「いずれにしても、一度彼とお会いになりませんか。違ったら違ったでいいではありませんか。彼は今日も出勤であることは確認しています。今からその店に行きましょう。お代はこちらでもちますよ。遅ればせながら美代さんとの婚約祝いを兼ねて。どうでしょう」

 突拍子もない提案だった。婚約祝いというのはともかく、父と思しき人物に会わせるというのは美代を始め、小松家一堂、全く想定していなかった。

 ともかくも木ノ本知徳のお誘いに、小松家一堂、乗ることになった。


(続く)

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