(二)-14

 市内の漁協に着くと、美代たちは車を降りた。母は漁協の建物中に入っていった。美代もそれに続いた。

 廊下をしばらく進み、漁協長の部屋に入った。どこかの会社の社長室のように、壁は茶色で塗られており、歴代の漁協長の肖像写真が架けられていた。

 部屋の中央には応接セットがあり、そこには頭のはげ上がった恰幅のよい高齢の男性がいた。漁協長なのだろう。

 美代たちが部屋に入ると、男性が立ち上がり「どうも坂田です」と名乗った。

「で、どうなったんでしょうか」


(続く)

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