(二)-13

 母はTシャツを着ると、ダイニングのテーブルの上に置いてあった車の鍵を掴み、「ちょっと行ってくるから」と玄関へ歩いて行った。

 美代は「私も」と制服のまま母の後を追い玄関を出た。そして母が乗り込んだ軽乗用車に乗り込んだ。


 いつも母は安全運転だったが、このときは荒かった。交差点の一箇所で信号も無視した。停車時のブレーキも急だった。

「ちょっと、危ないよ」

 美代はそう言ったが、娘に心配をかけまいとしているのか、平静を装いながら「うん、大丈夫よ」とだけ言った。


(続く)

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