第5話 留守番
『アウトサイダーよ…』
『アウトサイダーよ…』
『真を杯に移し泉へ流せ』
『真を杯に移し泉へ流せ』
『真を杯に移し泉へ流せ』
『真を…杯へ流せ』
『真を移し流せ』
『真を杯に捨てよ』
『真を捨て移し流せ』
『真を捨てよ』 『真を捨てよ』
『真を捨てよ』
『真を捨てよ』
『真を捨てよ』
『真を捨てよ』 『真を捨てよ』
『真を捨てよ』 『真を見せ』 『真を捨てよ』
『真を捨てよ』 『真を捨てよ』 『真を捨てよ』
『真を捨てよ』
『真を捨てよ』 『真を捨てよ』
『真を捨てろ』
─────
「うわぁ!!」
なにかとんでもない夢を見た。
わたしはしばらく放心状態になった。
(顔洗いに行こ…)
階段を降りるとピスティスが朝食の準備をしていた。
ピスティス「おはようございます。お嬢様」
エルピス「おはよう」
ピスティスに挨拶を済ませたわたしはあることに気付く。
エルピス「あれ?ママとパパ、フィーリアは?」
いつもはこの時間には家族揃って朝食を食べるのだがどこにもいない。
ピスティス「今日は朝から出掛けておりますよ」
エルピス「え?どこに?」
(おかしい。普通ならわたしに事前に伝えてから行くのに)
ピスティス「【アルヒ】へ向かわれましたよ」
エルピス「どのくらいで帰ってくる?」
ピスティス「明後日くらいですかね?」
エルピス「えっ!?」
(わたしに伝えずに日をまたぐところまで行くなんて、緊急な用事でもあったのだろうか)
エルピス「なんかあったの?」
ピスティス「イロアス様の仕事でトラブルがあったそうで」
エルピス「そっか…」
父イロアスは国の治安維持活動をしている。
国に関わる事件が起きたのだろうか。
にしても母もフィーリアも行く意味はあるのだろうか。
ピスティス「ちょっと寂しくなりますが、明後日には帰ってくる予定なので元気出してください」
ピスティスは朝食の準備をしながらわたしの頭を撫でる。
エルピス(えっ。わたし。そんなに寂しそうな顔してた?)
朝食ができたようでピスティスが隣に座るよう手招きする。
ピスティス(2日間エルピス様と二人っきり♡邪魔するものは誰もいない。フフフッエルピス様を独り占め♡)
エルピス ブルブル(なんかいつもより増してやべーやつの空気が…近づかんとこ)
ピスティス「なんでそんなに離れて座るんですか。ほら、こっちに」
ピスティスはわたしを手で引き寄る。
エルピス(あっ。オワタ)プルプル
ピスティス「エルピス様。なんか静かです。なんか話の話題はありますか?」
確かにいつもは賑やかなリビングが今日は薄暗く感じる。しょうがない、ピスティスも寂しいのだろう。と、わたしは話題を探す。
エルピス「あっ。そういえば今日怖い夢を見ました」
ピスティス「えっ!大丈夫でしたか?」
エルピス「うん。まぁ…」
ピスティス「んで、その内容は…」
エルピス「えっとね…」
わたしは夢の内容を思い出そうと顔を上に向け、顎に人差し指を当てた。
ピスティス「うんうん」
ピスティスは興味津々にわたしの話を聞こうとする。
エルピス「えっと…」
ピスティス「はいはい」
エルピス「う~ん…」
ピスティス「お嬢様?」
エルピス「忘れちゃった☆」
ピスティス「え〜」
エルピス(おかしいな。さっきまで覚えてた気がしたんだけど…)
ピスティス「聞きたかったです⤵」
ピスティスはガックシと首を下ろす。
ピスティス「でも、怖い夢覚えてなくって良かったかもですね。覚えてたら怖くて寝れなくなってしまいますし」
エルピス「確かにそうかも」
そんな話をしながら朝食を終え今は自室で本を読んでいる………ピスティスの膝の上で。
エルピス「あの…ピスティス?」
ピスティス「大丈夫ですよお嬢様。わたしは」
エルピス「いや、そういう事じゃ」
ピスティス「あっ。もしかしておトイレですか?」
エルピス「いいや」
エルピス(今日は一段と手強いぞ。頼む。早く帰ってきてくれパパ、ママ、フィーリア…)
────
──
恐怖の二人っきり♡生活を耐え、今日でやっとみんなが帰ってくる。
ピスティス「お嬢様との二人っきり同棲生活がぁ〜〜」
エルピス(お風呂の時は食べられるかと思った…よく頑張った自分)
みんなの帰りを二階の自室の窓から待っていると、長ーい道の先に馬車が見えた。
エルピス「帰ってきた!」
わたしはピスティスに抱えられ庭に向う。
──
エルピス「パパ!ママ!」
イロアス&エテレ『エルピス!』
わたしと父、母は抱きしめ合った。
エテレ「ごめんね。急に出掛けたりして」
イロアス「エルピス。いい子にしてたか?」
エルピス「うん!」
これが愛なんだ…
その時、わたしは前世では得られなかったものを得た気がした。
フィーリア「お嬢様の顔を見るとやっと落ち着けますね」
ピスティス「フィーリアお疲れ様」
フィーリアを観るとだいぶ疲れている様子だ。
一体どんなことをしてきたのだろう。
抱きしめるのを辞めると父はあることを思い出したようで馬車に積んだ木箱の中から綺麗な紫色の袋を取り出した。
イロアス「そうだ!エルピスにお土産があるぞ!」
袋を受け取り、中身を確認する。
エルピス「おお!」
袋の中には可愛いフクロウのぬいぐるみが入っていた。
イロアス「フクロウは外敵から身を守ってくれるんだぞ」
エルピス「わーい!ありがとう!」
(と、言っても精神年齢があれなもんで…でも、せっかくのプレゼントだから喜んでおこう)
フィーリア「わたし疲れました。早くベットで横になりたい…」
エテレ「フフ。そうね。早く荷物をおろして落ち着きましょう」
わたしはプレゼントの《ブボくん》を抱え家族みんなで家へ戻った。
つづく
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