第54話
遡ること1時間前。
「そ~んな時の僕だよ~」
「「あっ」」
出入口の所にいた
「2人がいたから声かけようかと思ったら、話が聞こえて少し聞いちゃった」
「そういうことか」
「入ってくれば良いのに」
「いや~、2人だから邪魔しちゃ悪いなぁって」
別に良いのに。
「ところで、あの後ろにいた女の子だっけ?」
「あぁ」
「僕、1年生のことは顔と名前だけは覚えてるよ~」
さすがだな。
「あの子は
ほうほう。
「
ふむふむ。
俺と
「それで、弓削さんについて知りたいの~?」
「うん、調べられる範囲内でお願いしたいかな」
琴坂の方が積極的だ。
「OK~♪デザートか何かお願いね~♪」
「もちろん!ね?
「ん?あぁ…はい」
あれ?俺も?
てことは、割り勘…。
まぁ琴坂の調査の時よりは、負担は軽いか。
「じゃあ、1週間待っててね~」
挑夢の調査力に頼ることになるとはね。
「挑夢、お前将来探偵か?」
「ん?パパの探偵も良いけど~」
挑夢の父親は探偵なのだ。
浮気調査が主な仕事らしい。
「サイバーセキュリティに興味があるんだ~」
なんか壮大な夢があるらしい。
「雅虎は?」
「まだ」
「夏休み前までに決めなきゃ間に合わないんじゃない?」
「だな」
「頑張れ~」
そう言って挑夢は先に玄関に向かったのだった。
「のんちゃんなら、なれるんじゃないかな?」
「俺もそう思う」
「私は本が読みたいし、ずっと携わりたいから、司書なんか良いなって思ってる」
「へぇー」
みんな考えてんだな。
俺も考えないと。
心に空虚を感じ、痛いなって思った。
※
現在、琴坂は先に帰って俺は1人。
進学就職相談室、と書かれた教室にいる。
求人を見たがピンと来ず。
専門学校短大の資料を見ても、自分は無反応だった。
今は大学の資料を見ている。
学力を考えずに片っ端からパラパラ見ては閉じ、次の資料次の資料と見ていく。
何にもないな。
俺は一体何がしたいのか。
どんな職業を?
どうにも目指す所が全くない。
俺、大丈夫だろうか。
早く見つけないとー…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます