第52話
可愛いって思ってしまった。
愛嬌があるからね。
それにしても、しばらく見ない内に大きくなった
あんなに小さくて、私の後ろを着いてくる泣き虫の男の子が。
身長は伸びて、目はキリッと凛々しくなってね。
それにしても、2人の後ろにいた、大人しいあの女の子。
私達を見るや、すんごく怯えていたように見えた。
今にも泣くんじゃないかってくらい。
なんだか、私に似ている気がする。
クラスにいても、1人で過ごしているのかな。
まだ絢子ちゃんと湊君に心を開いていないようだし…。
とても気になるなぁ…。
なんて、ボーッとしていると。
「
「は、はい!」
呼ばれてた!?
「珍しいな、ボーッとすんな」
「すみません…」
不覚だ。
「問題、解け」
「はい…」
黒板の前に立ち、チョークを持って、問題を解いた。
いつか、あの女の子と話がしたいな。
※
上の空になる琴坂。珍しいな。
でも、きちんと問題を解いてちゃっかり正解なのは、さすがだな。
何を考えていたのだろう?
まさか、俺かな?
いや、俺ならニヤついたり顔が赤くなったりするか。
なんて考えていると。
「おい
「はい!」
先生に呼ばれていた。
「アホ面してないで早く解け!」
琴坂の時は優しかったのに、俺には厳しいとかないわ。
心の中で文句を垂れて、表情には出さない。
うん、これは解ける。
黒板の前に立ち、チョークを持って、問題を解いた。
「あー…ボンミス発見、惜しいな!」
マジかよ!
「はーい、解説すっぞー」
ガッカリしながら席に着く。
「大丈夫?」
琴坂が心配してくれた。
ありがとう。君は俺の天使だ。
※
「2人してボーッとするなんてな」
「似た者同士~♪」
「はいはい」
俺は2人を洗い。
「あはは」
琴坂は苦笑い。
「んじゃな!」
「おう」
磯辺は塾だそうだ。
「またね、
「また明日ね、
宮司は家の用事とのこと。
この2人、本当に仲良くなったもんだ。
良い傾向だ。
たまに、つばめさんも入れて3人で遊ぶこともあるって聞いた。
「ねぇ
「どうした?」
「湊君達なんだけど…」
ん?どうかしたのか?
うんうん悩んで、まとまったのか。
「湊君と絢子ちゃんの後ろにいた女の子、分かる?」
「あぁ…うん」
その子がどうした。
「気になるの」
えっ…嘘…。
「俺も同じこと思ってた」
「えっ?本当に?」
「本当だよ」
うん、嬉しいな。
「あの女の子…どんな子だろう」
俺もそう思う。
「直接話せれば良いけど…難しいよね」
「学年違うからな」
「うーん…」
琴坂は悩む。
相当気になるんだな。
「そ~んな時の僕だよ~」
「「あっ」」
教室の出入口でニコニコしながら、俺のクラスを覗く男子生徒。
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