第49話
俺と
「なぁ?」
「どうしたの?」
聞きたい。聞きたくて聞きたくて、気になる。
「あの
あー、質問してしまったー!
嫌われないよな?大丈夫だよな?な?
「もしかして…焼きもち?」
「うっ…」
からかわれてる。真面目に答えてくれ。
「
「?」
「
スーッと心が軽くなるのが分かった。
「そう、か…」
安心した。
「信じてよ」
「うん」
そうだ、あの時、俺の事を信じてくれたんだから。
信じてはいるが、より強く想おう。
そう思ったら、行動に移していた。
「…!」
ピクッと反応はあったが、直ぐに受け入れてくれた。
「まだ寒いからさ」
「突然はダメだよ」
嫌がってなくて良かった。
手を繋いで琴坂のペースに合わせて歩いた。
※
わわっ、手を繋いでる。
高校生だもん、恋はわんさか転がっているよね。
私には縁遠いこと。
もしそんなことが起こったら、私どうなるかな?
あー、考えただけで顔が熱くなる!
もう忘れよう。
と思ったら、後ろから恐怖を感じた。
振り返ると、えっ?隣の男の子!?
柱に隠れて睨み付けてる。
何で?私何かした?
でも視線は私ではない。
あっ、あの先輩方か!
何でどうして?
怖くて気になる…。
震える足をなんとか動かして、彼に声をかけた。
「どう…し、たん…です、か?」
彼は私に気づくなり、驚いた顔をした。
「お前…隣の席の…」
「
「弓削、ね。覚えとく」
素っ気ない、さすが学年1目立っている人。
「あの、何であの先輩方の…後を?」
「お前には関係ねーだろ」
うぐっ…傷つく…。
「さっさと帰れ」
「ご、ごめんなさい」
なんで私謝ってんの!?
なんだか、腹が立ってきた。
「ここまで見ていて、教えないなんて!」
私は友達でもなんでもない彼に口答えをしてしまった。
人生で初めてかも。
他人に怒りをぶつけたの。
彼はキョトンとした顔になって、その後は頭をボリボリかいて、溜め息を吐いた。
「好きな人が、取られたから、どんなヤツか見てるんだよ」
「えっ」
「変なヤツなら直ぐ連れ去る予定がー…」
が?
「なんか、良いヤツそうだなと…」
諦めモード?
「でも、これから1年間、見張るけどな」
腰パンして髪の色は明るめの、なんちゃってヤンキーなのに…意外と男らしい。
見た目じゃないね。
「そっか…」
「他のヤツには言うなよ」
「うん、言わないよ」
女の子の先輩とはどんな関係かは分からないけど、一途に想っていたことは分かった。
こんな人なら、恋人になる女の子は大事にされるんだよね。
良いなぁ…恋…。
羨ましいって思ってしまった!
気持ちを切り替えて切り替えて!
落ち着いた所で。
「見張り、頑張ってね」
応援の言葉を言ってから、その場を離れた。
「おっ…おう…」
あれ?照れたような…気のせいか。
※
隣の席の…さっきの女子…弓削だっけ?
地味なのに…可愛い笑みをすんだな…。
ドキッとしてしまった。
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