小話 その6

 一生懸命に勉強をして合格して入学した。

 やっと会える。でも、探さなきゃ。



 なんだか隣の男の子、大丈夫だろうか?

 入学早々、苦手なタイプの人が隣になったなぁ。

 クラスメイトと上手く話せるかも不安なのに…。

 あー、学校間違えたかも。



「やあウッキー♪」

「もうツッコまないから」

「え~ダメだよ~」

 相変わらずの挑夢のぞむ

「ところでさ~」

「なんだよ」

「1年生、かなり元気な子ばかりらしくてね~」

「ふーん」

 上の学年がそうだったから、そりゃまた似たタイプが集まるわな。

 興味なさげにしていると。

「その中に、なんちゃってヤンキーがいるって~」

「へぇー」

「興味持ってよ~」

 そう言われてもな。

「あっ、噂をすれば…て、なんで?」

「ん?」

 挑夢の見ている方向を見ると、腰パンの男子生徒がいた。

「もしかして、アイツか?なんちゃってヤンキー」

「たぶん~、だと思う」

 うわぁ…3年生にはガキ大将なんかいないぞ。

 とか思っていると、俺のクラスに入って行った。

 嫌な予感がした。

「悪い」

「えっ?雅虎まさとら!」

 駆け足で向かうと、とんでもない光景が目に飛び込んできた。

 琴坂ことさかがニコニコしながら、なんちゃってヤンキーと話していた。

「あっ、雅虎君!」

 なんちゃってヤンキーにギロッと睨まれた。

みなと君、この人は私の大事な人なの!」

 琴坂は俺をそう彼に紹介した。

 いや、あの、えっ?

「琴坂、あの…?」

「雅虎君、この人は湊君。瀬戸せと湊君」

 へぇー?

「親同士が学生時代からのお友達で、それで知ってるの」

 あー、へぇー。

 うん、俺、機嫌悪いかも。

 そんで、その瀬戸も同じく。


 ある意味、ライバルが現れた。

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