小話 その5
「嘘ついて良かったんか?」
「幼馴染み、水入らずって思ったから」
「
里ちゃんと
「あとで話を聞けば良いんだし」
「それもそうか」
こうして、他校の人と仲良くなることを私は予想していなかった。
夢のために通信制に通っているとはいえ、夜型の私には日中の世界は眩しく見えていた。
みぃと親友だから、新しい友達に恵まれたのかも。
感謝しかないな。
「ね?みんなで今からカラオケ行かない?」
突然の提案をした里ちゃん。
「俺は良いけど、つばめちゃんは?」
「私も良いの?良いの?」
「良いに決まってんじゃん!」
ということで、3人でカラオケに行くこととなった。
「たくさん歌うぜー!」
はりきる里ちゃん。
「俺もー!」
つられる磯辺君。
「やふーい!」
楽しくなってきた。
※
あんな目に合うなんて…。
疲れたよ…。
これで僕は、また普通の高校生となる。
キラキラしていたサッカー少年はとっくに消えているからね。
はぁ…立ち直れない。
「うわっ!」
「わっ!」
前を見ていなかったから、人とぶつかってしまった。
「すみません、ボーッとしてました」
「私の方こそ、お怪我は?」
大学生だろうか。
「僕は大丈夫です、それよりもお姉さんは?」
「お、お、お姉さんだなんて!」
顔を真っ赤にして慌てるお姉さん。
「大丈夫です大丈夫です!はい!」
大丈夫なら、いいか。
「それじゃあ、失礼します」
不思議な人だったなぁ…。
また、とぼとぼと歩き始めると。
「あの!」
と、後ろから呼び止められた。
「元気…ないですよね?」
「えっ」
そんなに自分は、暗く見えていたようだ。
「私で良ければ…お話聞きますが…?」
「えっ?」
「あー、ごめんなさい!気になるとお節介したくなるんで!」
お姉さん…。
「知らない人になんか、ダメですね!本当にごめんなさい!さよなっ…」
「あの!」
自然と動いていた。
「話を、聞いてくれますか?」
小柄なお姉さんは驚いた顔になって、それから直ぐに優しい顔に。
「はい、お役に立てるなら」
僕とお姉さんは、喫茶店に行くことにした。
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