第44話
隠しカメラを片付けて、
早く帰らなきゃと言っていた里ちゃんを送る磯辺君。
つばめは見たいテレビがあるからとのこと。
残ったのは、
「ご、ごめん…もうダメだ…」
「はいはい、
ぐったりしている
みんなで家の中に戻る時にバテバテで現れた先輩。
今はお兄ちゃんのベッドで横になっている。
「無理して走るからだよ?」
「はい…」
死にそうな顔をしている。
大丈夫かな?
「運動からっきしダメなんだから、あたしに合わせないの!」
「うん…」
どうやら運動はダメダメらしい。
「泳げない、滑れない、走れない、跳べない、球技も出来ない、団体競技は不向き…運動音痴なんだから」
重度の運動音痴のようです。
「唯一の弱点…心にグサグサ刺さるんだけど…」
「傷ついたなら、めんごめんごー」
仲良いんだなぁ…。
「さてと、雅深、話なさいよ」
杏子先輩の威圧感がなんとも言えない。
「分かってるっての」
促された雅深さんは深呼吸をする。
緊張が伝わる…。
「あの…」
こんなんじゃ、上手く話せないよ。
「ちょっと待ってて下さい!」
※
「お待たせしました、ココアどうぞー」
私はココアを持ってきた。
1人1人に配り、最後に雅深さん。
「これ飲んで落ち着きましょう」
「ありがとう…」
みんなでココアを飲む。
「美味いな」
と雅虎君。
「美味しい~」
とのんちゃん。
「のんちゃんのには、牛乳とお砂糖を多めにしてみたんだけど」
「わぁ♪だから僕好みのココアなんだね~ありがとう♪」
喜んでもらえて良かった。
「あったまるー」
と杏子先輩。
「ふぅふぅ…」
ゆっくり飲む雅深さん。
「はぁ…ありがとう、美味しいね」
「良かったです」
これで上手く話せるかな。
「じゃあ、話すね」
もう一度深呼吸をして、雅深さんはゆっくりと話し始めた。
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