第43話
「はぁ…良かったぁ…」
僕は安心した。
サプライズ成功だね。
「ううっ…良かった…」
つばめちゃんは泣いていた。
「ごめんねみんな…」
僕は謝った。
「言ってくれりゃあ、な?」
「そうそう」
「のんちゃん…もうこんな作戦ダメだよー!」
「うん、反省する」
みぃちゃんに謝んなきゃ。
あれ?
「なんか、3人していないんだけど~?」
どこに消えたのか。
全カメラを確認した。
「もしかして…」
僕は窓に近づいて、カーテンを開けた。
「いた…」
「「「えっ」」」
つばめちゃん達も窓の外を覗く。
「
とそこに、
※
あたしは雅深から離れて、対峙していた。
「なんで邪魔したの?」
「ふっ…のぞむぅに呼ばれたからマッハで来ただけだし」
このチャンス、逃さん。
「ほんと杏子なんて大嫌い!」
「はぁ!?あたしだってアンタなんか!」
このわがまま娘に、どれだけ振り回されたか。
「いっつも私が
「それは友達見つけたら話し掛けるし!」
「小中の時なんか、暴力でみんなを無理くりまとめて!」
「暴力は失礼よ!言うこと聞かないから力強くで黙らせただけだし!」
なんか腹立ってきた。
「あんたなんか男子の前だとぶりっ子して、猫なで声で!」
「ちょっとだけ可愛く見せたいって思っちゃダメなわけ!?」
「可愛く見せたいってバカなの!?」
「杏子はガサツだから出来ないもんね!」
「あーもー!なんなのよ!」
お互いに睨み合っていると。
「ほんと仲良いなお前らは」
「虎ちゃん!?」
「雅ちゃん!?」
虎ちゃんが家から出てきた。
後ろには
「くくっ…息ぴったり」
「「んなわけない!!あっ…」」
「あはは!傑作だな!」
虎ちゃん…。
「笑うなし!」
「そうよ!」
あたしと雅深は虎ちゃんに抗議した。
「うわっ!悪かった悪かった」
そんな虎ちゃんは平謝り。
「ほれ、行けよ原田」
虎ちゃんは原田を外に出した。
「雅深…僕…」
こんな弱っちいヤツなの?情けない。
「もう、関わらないでくれ…懲りごりだ…」
「原田君…私…」
「さよなら」
原田はあたしと雅深の間をとぼとぼと通り、最後に「雅、ごめんなさい…さよなら」と言って、帰ってしまった。
雅深は地べたに座り込んだ。
「もう台無し…」
意気消沈。
「あんたが悪いんだからね」
あたしは雅深にハッキリと言った。
すると、スカートをギュッと掴んで雅深は俯いた。
そんな彼女に虎ちゃんは近付こうとしたら、後ろにいた雅ちゃんが止めた。
雅ちゃんは雅深ちゃんに近付いて、そっと抱き締めた。
「えっ?」
「辛かったんですよね?」
目を大きく開き、驚く雅深。
「とても淋しかった…そうですよね?」
優しくなだめるように。
「誰かに話していれば…こんなことにならなかったのに…ましてや、今までのことも無くて、もしかしたら雅虎君達とずっと一緒にいれたはずなのに…」
雅深は「ぅっ…」と嗚咽をもらして泣き始めた。
「今、話して下さい?みんなで聞きますから…」
「ぅぅっ…ぅっ…」
雅深が泣き止むまで、雅ちゃんは優しくなだめたのだった。
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