第41話
勉強はスムーズに流れた。
30分経過したから、一旦休憩にしようかな。
「
「ん!?」
ビクッと反応した原田君。
そんなにびっくりしないでよ。
「少し休憩しない?」
「あっ…あぁ、そうだねー」
変な原田君。
「新しく飲み物持ってくるね」
「行ってらっしゃい」
私は部屋を出てリビングに行った。
※
タイミングが掴めない。
分からない所を聞いてくるかなと思ったのに、全く気配すらない。
黙々と解いている。
正直に言って可愛げがない。
本当に経験値低いんだな
チャンスがきたら必ずー…。
※
自室の前にお兄ちゃんの部屋にまた寄る。
「はい、これ」
「ありがとう雅」
「じゃ!」
静かに閉めて自室に戻った。
原田君の向かいに座る。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
オレンジジュースにしてみた。
りんごの方が良かったかな。
「ねぇ雅?」
「なに?」
原田君は真剣な顔で私を見る。
なんだ、どうしたのかな?
ちょっとだけ不安になる。
「突然でごめんだけど…」
耳を塞ぎたい所を我慢する。
「僕のこと、どう思ってるの?」
どう思ってるの?
と、言われても。
「小学校の時の…同級生…」
それ以上もそれ以下もない。
私の中では原田君の位置はさっき言った言葉で収まる。
原田君の事を見てみると、俯いていた。
表情は分からない。
ただ、彼が放つ雰囲気は少し怖い。
もしかすると、この数ヶ月で何かあったのか。
それか、あの人に何か吹き込まれたのか。
どちらにしても、彼が思い描いた通りの感情はない。
「あの…原田君?」
恐る恐る話しかけた。
すると、原田君はガバッと顔を上げた。
表情は怒りに満ちていた。
「何でだよ!」
いきなり怒鳴られて、少しだけ後ろに下がった。
※
「「「「!?」」」」
『ついに!?』
『大丈夫か!?』
全員、原田君の怒鳴り声で驚いた。
「きたね~」
直ぐに冷静になって2人の様子を見る。
ここからどうなるのかー…。
ところでまだかな?
僕の見立てではそろそろなんだけど。
「
「挑夢、行こうぜ!ヤバいぞ!」
里ちゃんと
でも僕はそれを止める。
「まだダメ」
「「なんで!?」」
それは、ねぇ…。
『のぞむぅ…まさか!』
さすが
幼馴染みだからこその、以心伝心かな。
「杏子ちゃん、
『もちろんよ!アイツにビンタすんだから!』
『良いよ!丁度勉強飽きたし』
『マッハで行くから!』
「了解~♪」
ブツン、と杏子ちゃんの方でリモートが切れた。
善は急げ、動くが先な杏子ちゃんらしい。
走って来るとなると…大丈夫かな金戸先輩。
あの人確かー…。
「のんちゃんのんちゃん!」
つばめちゃんが僕に声をかけてきた。
「ん?」
「みぃー!」
「!?」
目を離したらマズいことに。
「行かなきゃ!」
「ダメ、大丈夫だから」
「でも!」
バタン!
「あっ…」
全員固まった。
『何やってんだよ…』
『何故君が…』
『ぁっ…ぅっ…』
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