小話 その4
当日の午前9時過ぎ。
「「「「お邪魔します」」」」
「はい、上がって上がって!」
お父さんは先に家を出て職場へ。
お母さんはまだいたために、みんなを出迎えた。
「お母さんは準備しなきゃでしょ!」
「良いのよ!こんなにお友達連れてきて嬉しいんだから!」
お母さんは自分の事よりも、みんなをもてなす方が楽しいみたい。
「今、お菓子と飲み物持ってくからね♪」
「んもお、いいから!」
「
お母さんの背中を押してリビングへ。
とその前に。
「みんな、2階の奥に!つばめ案内お願い!」
「あいあいさー!」
みんなはつばめの後ろをついて行った。
そして私はリビングに。
「お母さん、早く準備して行って!」
「はいはい♪」
ルンルンしないでよ。
私は飲み物のお茶とお菓子をお盆に乗せていると。
「雅?」
「なに?」
「良いお友達ね♪」
ふふ、と笑って出掛ける支度を始めたお母さんだった。
安心、したのかな。
心配ばっかりでごめんなさい。
※
お母さんが出掛けた事を確認して。
「改めて、最終打ち合わせー!」
「先輩方、聞こえますか~?」
『『大丈夫』』
受験生でもある
勉強しながら見守るとの事。
一方のつばめ、のんちゃん、
「10時にアイツが来るんでしょ?」
里ちゃんは確認で私に聞いてきた。
「うん、そうだよ」
10時に
「てことは、その前にどこかに隠れなきゃだねー」
と、笑っているつばめ。
変なことしないでよ。
「大丈夫、隣の部屋を片付けたから、そこに移動してね」
「誰の部屋なの~?」
と、のんちゃん。
「お兄ちゃんの部屋。許可はもらってるから大丈夫!」
そう、年の離れた兄がいる。
お兄ちゃんは社会人、バリバリ働いている。
最近婚約者を連れてきた。近々結婚するらしい。
「知らなかった!」
と、磯辺君。
聞かれてないから話してないだけ。
聞かれたら答えるよ。
「お兄さんの部屋で私らは見守る、だよね?」
「うん、モニタリングだね~」
そう、隠しカメラを私の部屋に3台、リビングに2台設置。
もちろん親の許可はもらっている。
私の親、ある意味許容範囲が広いことを知る。
このカメラを設置したのが、つばめとのんちゃん。
本当にどこから。
「危ないと思ったら、合図出して。もちろん私らも突撃するかもだし!」
「了解」
突撃は、止めて。
合図かぁ…。
「どんな合図が良いかな?」
と考えていると。
「やだ、止めて、で良いんじゃない?」
のんちゃんがシンプルな提案をした。
「手を上に動かしたら怪しまれるから、言葉がベストかと~」
さすが、のんちゃん。
『それじゃあ、移動して待機したら?』
『早めに来るっていう点、拭えないからね』
先輩2人の言うことを聞いて、みんな隣のお兄ちゃんの部屋に移動した。
「広い!」
そう兄の部屋は広い。私の部屋よりも。
あー、お兄ちゃんの部屋に移動したい。
私の部屋、狭いもん、なんでよ、妹だからか!
長男の特権か!悔しい!
「本棚に本びっしり~」
兄妹揃って本好きなんで。
「なんかあったりなんかしちゃったりしてー!」
「面白そう!」
つばめと里ちゃんは盛り上がる。
「何にもないってば!」
何か見つかれば私、処分するし!
て、怒られるか。えへっ♪
「ここ防音だから、普通の会話レベルなら聞こえないから安心してね」
ギターとピアノを習っていたからここで練習していた部屋なわけです。
妹のわがまま、聞いてほしい、とほほ。
「とりあえず、あと10分…あっ、みんなの靴片付けとかなきゃ!」
「「「お願いしまーす」」」
はぁ…直前になると、何でバタバタするのかな?
不思議だな。
「じゃ、また!」
「「「「はーい」」」」
私は玄関に向かい、全員の靴を、靴箱に入れた。
そして身の回りの確認。
あとは大丈夫、深呼吸。
ピンポーン
丁度良いタイミングでインターホンが鳴ったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます