第38話
本番まであと2日。
前日は打ち合わせとちょっとした仕掛けを取り付けるために、つばめとのんちゃんが家に来る。
ますますこの2人、探偵になれば良いのにって思ってしまう。
どこで手に入れたんだか。謎です。
「いよいよだな、緊張するー!」
「あんたが緊張してどうすんの!」
ツッコミする
「危ないから、警戒するんだよ!」
「ありがとう、里ちゃん」
同じクラスの女の子と友達になったのは、つばめの時以来だな。
つばめは破天荒な感じだけど、里ちゃんはしっかり者だから、さすが委員長だよね。
何だろう?私の周りって賑やかな気がする。
のんちゃん以外、うるさい、かな。あはは。
でも、私には丁度良いのかも。良かった。
「気をつける基準、教えようか」
突然、磯辺君がレクチャーを始めるようだ。
「宮司、手伝え」
「何でよ?」
「実演するとなると、ハラスメントになりそうだから」
「年がら年中、セクハラ思考だもんね」
「失礼な!」
里ちゃんと磯辺君、良いコンビ。
「まず、宮司、
里ちゃんは言う通りに私の肩に手を置いた。
「こんな感じのスキンシップがきたら気をつけること」
へぇー!なるほど!
「あとはだな」
やたら着いてくるのも要注意とのこと。
「見詰め合ったらダメだからな」
見詰める、ダメ、ふむふむ。
「見詰めたらその気になるから、勘違いさせないようにな」
勉強になる。
「磯辺君、少女漫画見すぎ」
ジト目で磯辺君を見る里ちゃん。
「そんなこと言われても!」
「お花畑過ぎ!」
若干、お怒りモードな気がした。
「とにかくだ!気をつけてくれ!なるべく離れること!」
「は、はい!」
「ここ分かんないって言って、対面から横に座らないこと!肘が当たるだけで、向こうはヤバいはずだからな!」
「そんなに、単純…なの?」
首を傾げて聞いてみると。
「みんながみんなではないがー…とりま、バカな男はそんなもんだ!」
怖いなぁ…。
「何かあれば直ぐ助ける事になってるんだし!大丈夫大丈夫!」
「里ちゃん…」
そうだ、大丈夫なんだから。
自分に言い聞かせる。
深呼吸をして、心を落ち着かせた。
※
本番前日。
「んじゃバイバイ♪」
「お邪魔しました~」
「ありがとね、また明日」
みぃが玄関の扉を閉めてから、私とのんちゃんは歩き始めた。
「取り付け完了したし、操作も問題ないし、あとは明日だね!」
「そうだね~」
2人でニコニコした顔で歩く。
すれ違う人たちは、私らを見て楽しそうって思ってチラ見されていた。
「ところでのんちゃん?」
「…」
あれ?
「のんちゃん?」
「…」
ん?もう一度。
肩をぽんぽんして呼ぶ。
「のんちゃん?」
「あっ!…ごめんね~」
やっとだ。
「何してんの?」
すると、のんちゃんはスマホを私に見せてきた。
そこには、高嶺の華のお姫様ちゃんからのメッセージ。
『明日、
ほぉー…なんという。
「それで何考えてたの?」
すると、意を決したようにのんちゃんは私の目を見てこう言った。
「内緒だよ?サプライズだから」
「えっ?」
説明を聞いて、私は驚いた。
これはー…みぃに言わない方が良い。
もちろん、里ちゃんや磯辺君に先輩方にも。
口軽そうとかではなく、言わない方が盛り上がるから。
ますます面白くなってきた!
※
僕はつばめちゃんに話した事を整理して、やっぱり決めた。
さぁ君は、本当はどっちの女の子が好きなの?
僕は信じているよ。
雅虎はいつだって、尊敬できる親友なんだから。
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