第4話
朝1番に学校に来て、予習復習、時に課題をやる私。
いつの間にか隣の彼が毎日ではないが、週に1回は必ず早く来るようになっていた。
じろじろと見てくるあの視線は好きじゃない。
だが、決して邪魔はしてこない為、放っておいた。
全く、何なの?
なんて思いつつ、どこかでこうも思っていた。
今日は早く来ないかな…。
その感情に私は蓋をする。
開けてはならない事だから。
※
異性と手を繋ぐ、嫌だなと思って、仮病を使って休もうかと考えた。
しかし、先生は授業開始早々に「仮病は見抜けるからな」と言っていた。
だから諦めた。
我慢して授業を淡々とこなす。
ある男子の手は汗ばんでいて、ある男子は鼻の下を伸ばしていて、ある男子は手を強く握ってきて痛かった。
どんどん気分が悪くなっていく。
すると、
「よろしく」
「はい」
どこか安心してしまう。
何で安心するの自分、と自分に対してこっそり怒った。
※
5分休憩後、マイムマイムを踊ることに。
私の右に宇城君、左に
片方だけでも女子で良かった。
両方男子だったらヤバかった。
手を繋げという先生の指示に従い、三好さんとはすんなり手を繋ぎ、宇城君とは恐る恐る手を繋いだ。
あれ?
あの時は気付かなかったが、なんだか優しいような気がした。
曲が流れてスタートしても、その手の優しさは変わらず。
ちょっと感謝してしまった。
顔に出ていなきゃいいな…恥ずかしいからね。
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