第4話

 朝1番に学校に来て、予習復習、時に課題をやる私。

 いつの間にか隣の彼が毎日ではないが、週に1回は必ず早く来るようになっていた。

 じろじろと見てくるあの視線は好きじゃない。

 だが、決して邪魔はしてこない為、放っておいた。

 全く、何なの?

 なんて思いつつ、どこかでこうも思っていた。


 今日は早く来ないかな…。


 その感情に私は蓋をする。

 開けてはならない事だから。



 異性と手を繋ぐ、嫌だなと思って、仮病を使って休もうかと考えた。

 しかし、先生は授業開始早々に「仮病は見抜けるからな」と言っていた。

 だから諦めた。

 我慢して授業を淡々とこなす。

 ある男子の手は汗ばんでいて、ある男子は鼻の下を伸ばしていて、ある男子は手を強く握ってきて痛かった。

 どんどん気分が悪くなっていく。

 すると、宇城うき君とこんにちは。


「よろしく」

「はい」


 どこか安心してしまう。

 何で安心するの自分、と自分に対してこっそり怒った。



 5分休憩後、マイムマイムを踊ることに。

 私の右に宇城君、左に三好みよしさん。

 片方だけでも女子で良かった。

 両方男子だったらヤバかった。

 手を繋げという先生の指示に従い、三好さんとはすんなり手を繋ぎ、宇城君とは恐る恐る手を繋いだ。

 あれ?

 あの時は気付かなかったが、なんだか優しいような気がした。

 曲が流れてスタートしても、その手の優しさは変わらず。

 ちょっと感謝してしまった。

 顔に出ていなきゃいいな…恥ずかしいからね。

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