空に嫉妬する。

ふるなる

空に嫉妬する。

 手を伸ばせば届くと勘違いして

 浅はかなうちは淡い夢を見る。



 背が伸びて洗練された青の色

 いつか注目を集めると信じても

 ただ通り過ぎていかれるだけの人。

 まだ小さなつぼみ 若い水色

 誰もが目を奪われ空へと溶けた

 ただ、うちは下唇を強く噛んでいた。


 天と地の差だ。

 空高く明るく舞うカラー

 夜色へと変わり果てるカラー

 勝てはしない(けど)

 負けらんないよねぇ

 土を舐めてもまた昇ってみせるから



 妄想で世界を救う多重人格の馬鹿

 いつも全てで煌めく夢を見ている

 ただただ現実にはならない現実逃避。

 何かでうちは煌めくことができる

 いくつもの届かない場所に手を伸ばす

 そういうのを中途半端っていうんだ!


 分かってるよ。そんなの。


 もうどれもが嫌になる。

 居心地悪くなったハイカラ

 うちの向かう先は人が疎ら

 気づいていない(けど)

 歳を重ねてる

 もう眩しいのには耐えきれない


 分かってるの。見たくない。



 空はきっと居心地悪い

 うちのような負け犬が嫉妬の矢を放つ

 遠吠えのように弦の音を鳴らした。


 何で嫉妬してるの?

 うちとは関係ないでしょ?


 分かってないな~。見てみてよ。


 心の中を──



 天と地の差だ。

 絶対にかなわないと知っても尚

 うちの中で叫んでる破廉恥「やろう」

 無駄っぽい(けど)

 負けは認めたくないもんね

 土を舐めてでも夢を追いかけるから。



 いつかは届くんだと勘違いしてる。

 浅はかなうちは淡い夢を夢見てる。

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空に嫉妬する。 ふるなる @nal198

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