閑話 魔族とドラゴンの会話3

「女の子の成長は早いとは聞くけど、あの子は早熟すぎる」

「何のお話ですか?」

「独り言だ。気にしないでくれ」

「バグシャス様、このエリンの町に在野の冒険者たちがやってこようとしています」

「知っている」

「市井に身を隠すわたくし共にとっては、外部の冒険者がこの町にあふれることは脅威です!この様な災いを呼び込むのなら」

「既に対策は打ってある。心配は無用だ。そんな話で私を煩わせるな」

「それは、失礼いたしました。申し訳ございません。殿下への信心が至らぬばかりに取り乱してしまい、汗顔の至りでございます」

「正直、面倒な事態になったらもう町ごと焼き滅ぼしてしまおうかとも思ったけど。君たちは思いの外、順調に動いてくれた。感謝している」

「わたくし共は何も」

「こちらの問題が一つ片付いたおかげで予定通りの進捗が出来るよ、別に町の部外者の連中が何人死んでも君らは構わないだろう?」

「……犠牲は最小限に抑えていただいたく」

「ふぅん、じゃあ、死ななくてもいい人は死なないようにしよう。自分から死にに行く連中については考えなくていいよね」


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