第53話

 あれから17歳となりました。今年で学院生活最後となります。アーサーが。


私はもう卒業しているので絶賛ニート中。だと思いたい。たまに母とお茶会に参加したり、王妃様と一緒にお客様をもてなしたり、舞踏会へ参加したりしてはおりますが。


 領地の方はというと、領民にコツコツ勉強も教えた事により、我が領地だけ識字率60%超えるようになりました。


読み書き出来るし、簡単な計算も出来るし、領民はどうやら他領地から引っ張りだこのようで最近は人の流入出が激しいです。


 そして物流に関しても馬車の大幅な改善により品数豊富になってきています。上水道も塩素や消石灰も取り入れ安全性も格段に上がったと思う。


今の所流行り病は流行してないようだし。衛生面の学習もそろそろ行っていきたいよね。清潔一番。


 ゴムの産業も需要が高く、最近ではゴムを利用した職人工房も増えてきている感じ。タイヤを使った馬車も増えて来てるし乗り心地は大分改善されてはいるかな。サスペンションはまだ貴族の馬車が殆どだけどね。タイヤの収入の多くは水道や道路などのインフラ整備に当てていて領民の暮らしは良くなりつつある。


 アーサーとはあれから進展は全くなし。むしろ後退かも。お茶会や舞踏会には一緒に参加してるんだけど、お互い意識してしまってあんまり会話も成り立たないし、顔真っ赤で手を繋ぐくらいかな。


なんて初々しいんだ。


 来年は魔法騎士団設立と私達の結婚も控えていて物凄く忙しい。結婚したらアーサーの新しい邸でのんびり出来ると思ってたらどうやら違うようで、最近建てられた魔法騎士団の建物に魔法騎士団開発部という部屋が出来たみたい。


そしてそこの開発部屋に私が入る事になった。私室付きの研究部屋。ありがたいね。


残念、そろそろ半ニート卒業か。


そういえば、今回の魔法騎士団の制服はアーサーがデザインしたらしい。魔法騎士団の正式な制服は黒地に金の刺繍を施した服らしい。


 私も着たいとおねだりしてみたからもう少しすると支給されてくる。ただ、私はただの研究員なので普段は黒シャツに黒スカートかズボンでの勤務になるようだ。後、白衣も忘れず。


こっそり黒のタイトスカートを作ったので楽しみ。出来る女みたいな感じだよね。他の団員はもっと後になってからやってくるみたいだけど、私は開発なので一足先に研究者として部屋に入っていても良いらしい。


当分は父や兄のいる邸で寝泊まりして塔まで父達と出勤する事になる。あとは一人でコツコツ研究する事になるかな。少しずつ荷物の整理も終わり、明日から本格的な王宮勤めになる。


 リリーは父達の邸で私のお世話を引き続きしてくれるそうな。朝は家族で食事をし、そのまま馬車で出勤。父達は隣の塔なので何かあれば駆けつけてくれるみたい。

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