第46話
領地に帰り、母にはちゃんとお使い出来たと報告も忘れずに行う。はぁ、一仕事したわ。
そういえば、母から週末にお茶会に呼ばれているので参加するように言われたよ。ドレスは母が用意してくれているので良いそうな。週末はリリーが準備をするけれど、もう地味令嬢の格好はさせてくれないらしい。
くそぅ。
週末がいつの間にかやってきた。母と馬車に乗るかと思いきや、母普段着のままでいた。
「お母様はお茶会に行かないのですか?」
「ええ。アイラいってらっしゃい。楽しんできてね」
馬車に乗せられドナドナ行くよー。着いた先は王宮。なんてこった。ドナドナ先は王妃様との二人でお茶会。まじかー。嵌められた気分。
「王妃様お久しぶりでございます」
そこは忘れずにしっかりと淑女の礼を執る。
「アイラちゃん、お久しぶり。元気にしてたかな。この間、アイラちゃんのパパから報告来たわよ。魔法珠(仮)を見つけたって」
そんな名前になったんだ。私はずっと目ん玉って呼んでたわ。
「アイラちゃん、この間はごめんなさいね。馬鹿息子がちゃんとしないから辛い思いをさせちゃったわよね。もう一度だけアーサーと向き合って見てほしいと思って。あの子、昔からアイラちゃんの事を好きで好きで、好きすぎて空回りしちゃってるのよ。
本当のあの子を知ってお婿にもらってくれるのはきっとアイラちゃんしか居ないと思うのよね。そして私もアイラちゃんに娘になって貰いたいと思っているの」
何だか、王妃様からキャピキャピって効果音付の幻覚が見えたきがする。
「王妃様がそう仰るなら、今一度だけ考えてみます」
そう言った途端に後ろからまた抱き絞め殺され、る。って王妃の扇子が飛んできた。
助かった。
「こらっ!馬鹿息子。何できたの。呼んでいないわ。アイラちゃんとのお茶会の事、貴方には秘密にしていたんだけど、どういう事かしら!?」
え、どういう事?
「母上。僕にアイラの事を隠してもバレるのは分かっているでしょう?普段からアイラと会えるチャンスなんて無いのですから。チャンスは大切にしないといけないと思うのです」
「そういう所がアイラちゃんをドン引きさせるのよ。」
いぇ、あまり話が見えてこないのですが。
「アイラ、今すぐ結婚したいんだ。ずっと一緒に居たい。そうだ、今度二人で森へ探検に出かけようよ。僕の領地になる所に楽しい森があるんだ」
王妃様を無視かーい。でも探検面白そう。
「アーサー殿下は魔法騎士団の方は大丈夫なのですか。創設にあたり、忙しいと聞きますが」
「それは問題ないよ。リチャードが全力で引き受けてくてれいるようだし、本格的な始動は2年後からだからね。そうそう、次の魔樹散策は僕も参加する事になったよ。アレクが行きたそうだったけど、僕に決定したんだ。アイラとデートだと思うと今から胸がドキドキだよ」
アーサーのドキドキとは違い、王妃様のイライラモード。アーサーは王妃様を完全に無視ね。こっちが違う意味でドキドキだよ。
「アーサー、それはデートとは言わないわよ。テオもノアも居るじゃない。やっぱり、アーサーよりアレクサンダーを連れて行くべきだわ」
「母上、何のことやら。アイラ、今から僕と街でお茶に行こうか」
お、お茶会中ですが。
「アイラちゃん、この話の通じない馬鹿息子の事宜しくお願いね。馬鹿息子が来たらアイラちゃんとゆっくり茶会は続けられないわ。アイラちゃんまた今度お茶会に呼ぶわね。今日は馬鹿息子にイライラするからお開きにさせてもらうわ。馬鹿息子、アイラちゃんにちゃんと謝りなさいよ」
そう言って席を立つ。私も立ち上がり、帰ろうとするけど、そうは問屋が卸さないですね。ハイ。
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