第42話 王妃 side
アイラの去った後の舞踏会では相変わらず、アーサーに言いよる令嬢が何人もいる。
そろそろ行かないと危ないわね。空気がパリッパリッと音を立てはじめている。アーサーもそろそろ限界ね。
「貴方達は陛下の言葉を聞かなかったようね。不敬罪にしようかしら。私達王族から何度も要請し、ようやく王家の娘になるはずのスペンサー公爵令嬢を無碍にできる程の物をお持ちなのかしら。あぁ、魔法剣も馬車も手に入らなくなるなら国としては重大よね。国家反逆罪の方がよろしいわね」
つい、イライラをぶつけてしまったわ。私らしくないわね。でもそれだけ怒っているのよ。
令嬢達はさっと波が引くように離れていくがそうは問屋が卸さないわ。衛兵に指示し、一人も漏らさず令嬢達は外へ連れられていく。
一晩は牢で過ごしてもらいましょう。散々な舞踏会だったわね。イライラ爆発よ。
「どういう事なの!アーサー!アイラちゃん、もう戻るつもりは無いみたいよ。この間もあれだけウッドをのさばらせて、アイラちゃんをすり潰せばどうなるかくらい分かってたわよね?
言葉も物も1つ送らない王子にいつまでも好意を寄せて貰えると思ったら大間違いよ!!
それに今回だって女の子にとって一生に一度の舞踏会デビューを大事に出来なかったんだから婚約解消でいいわ。
アイラちゃんが可哀想よ。アイラちゃん馬車の中でずっと泣いていたそうよ。最低ね。我が息子ながら呆れて物も言えないわ」
早朝からアーサーを呼びつけ叱責。こちらが望んで、望んでようやく婚約者に引き込めたと思ったらこの事態。なんたる失態。
最悪もいい所だわ。アイラちゃんには義娘になって欲しかったのに。
アーサーに絡んできた女が義娘になるかもと思うと発狂するわ。
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