第36話
どうやら私が寝込んでいる間に王宮では怒り狂った父や王妃に陛下は叱られ、泳がせていたホリー・ウッド達は即牢屋行きとなった。
ホリーは平民だった母が子爵を落とすために闇の商人達から媚薬や惚れ薬を買っていて娘にも渡していたらしい。
ホリー自身も魅了の魔法を使い男達を虜にしていたと自白。他の貴族の関与は無かったそうな。
ホリーやホリーの母は隷属の首輪を付けて犯罪者の男達が働く鉱山への強制送還。ウッド子爵は長期間薬物使用と魅了され続けたため親戚が子爵を交代し、ウッド子爵は領地で生涯療養することとなった。
勿論、私を怪我させた取り巻き達は魅了解除後、学院退学になり、その後どうなったかは分からない。
アーサー達はというと、父と兄の逆鱗に触れ只今グレイ共々鍛えなおされている。リチャードはアーサーの仕事と兄からの仕事、魔法騎士団の創設準備ですり潰されている模様。
リカルド殿下やアレクサンダー殿下はお茶菓子と共にたまにお見舞いに来てくれてます。アレクサンダー殿下は自分と兄の婚約者交代でも良いよね。なんて来る度に溢してますが。
私の体調が少し回復した後、領地での療養となりました。病んだ心も体も回復するまでに3ヶ月程かかりましたよ。
正直な所、目の前で婚約者が他人とイチャコラするのは相当キツかったんだと改めて実感。嫉妬を自覚する位には好きだったんだわ、と気づいたし。
婚約を解消して兄のお荷物として領地で暮らすのもありだと再確認しちゃった。
それが逃げだとしてもね。
怪我をしてから4ヶ月近くアーサー達に会わない間に結構立ち直れたと思う。
最近になってリチャードが近況報告と共にお見舞いに来てくれました。
サロンに通されたリチャードは私を見た途端に目を丸くしてる。忘れてた。倒れてからは地味令嬢の格好して無かった。
「テオ先輩が天使、天使って言ってる意味が分かったよ。学院では何故あの格好なんだい?」
「王妃候補に上るのが嫌だったからよ。妃教育が同じ程度出来る人ならより見目麗しい方が良いでしょう?」
「なるほど。まぁ、学院では続けてる方が殿下は安心だろうね。殿下と婚約解消するなら僕も候補に入れておいてくれると嬉しいよ。研究仲間だし、末長くお互い理解していけると思うよ」
「ふふ、考えておくわ。領地で療養している間にね、婚約解消して研究に勤しみ、兄のお荷物になろうかなとも考えていた所なの。なんだか学院では少し疲れてしまいましたし」
「テオ先輩は喜んで賛成しそうだね。でも殿下はアイラ嬢一筋だし、離さないんじゃないかな。アイラ嬢には見せてないけど、ホリーの捕縛命令が出た時の殿下は凄かったんだから。今度聞いてみるといいよ。それとは別に学院にはいつ戻るんだい。クラスのみんなは心配していたよ」
「そうね。そろそろ学院に行かないと行けないわよね。実技が残ってるしね」
サロンでお菓子をつまみながら近況報告も聞けたし、そろそろ学院に行かないとね。
お医者さんからは学院に戻ってもいいと許可が出たし、家族も心配してたけど、リリーと一緒なら学院に戻ってもいいと言ってくれたので明日から寮に戻り、明後日の実技から参加予定。
問題なのは寝込んでたのもあって体力がガタ落ちなんだよね。当分は寮と研究室の行き来のみでリハビリが必要ね。
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