第27話
寮に戻った。私はリリーが用意してくれた食事を食べながら考える。恋愛って前世でも干物になるくらい縁遠かったんだよね。だから楽なら政略結婚でも良しと思ってはいる。
相手に思われた結婚は最高だろうな、とは思う。
…成果ね。
やるだけはやってみるか。こういう時のラノベ知識だとあれか、領地改革だね。
手取り早くとなると領地内の識字率を上げるか。将来の事も考えてそれが一番良さそう。でも、まだこの時代印刷技術が未熟。
教科書を手作りするのに時間がかかるわ。流石に学院の教科書は冊数があるのでページ毎に版画で作ってるらしい。
セバスに案を出せばそのうち活版印刷やタイプライターとか出来ちゃうのかしら。セバスに相談してみよう。
寮に帰ってからはリリーに手配をお願いした。週末は久々に実家に帰るか。
作りたい物多くて困るー。それを実行に移す事が出来る財力があるのも有り難い事だわ。
早速、記憶にある小学校1年生程度の読み書きと算数と理科と言いたい所だけど、理科の知識が微妙にない。菜の花の雄しべと雌しべとかじゃが芋の空気鉄砲位だよ覚えてるの。
国語と算数のみでいいね。大体にして学院でもAクラス以外は算学は大したことないんだよね。和差積商が出来れば十分通用するレベル。学院に入る貴族がそのレベルなので平民となると文字も読めないし、買い物も単純な計算だけらしい。
さて、週末に向けて教科書の元となる物を作るか。そこからはセバスの腕の見せ所だった。
領地に帰ってからタイプライター(これは何となくのイメージしか伝えれなかった)案や活版印刷案、領民識字率アップ作戦案。
セバスはすぐさま教科書とノートを100冊程と鉛筆を作ってくれた。急がせてごめん。
そして消しゴムの知識は無かったわ。ゴムと言うからには天然ゴムに研磨剤とか入れて固めるとか。さっぱりだわ。セバスに丸投げするかな。そのうち作れるはず。
まず、孤児院の子供達と時間のある領民の希望者から教える事となった。期間は3ヶ月程度でまずは基本の文字を覚え、書くのと、2桁までの足し算と引き算をする事にして後は様子見でいいかな。
週末兄と一緒に領地に帰り、毎週午前中は孤児院、午後は領民に公民館で教える事になった。
参加した者にはパン1つ配られるようにしたら領民達の参加率は初回から大人数集まってくれたので1期2期と続けても良いかも知れない。領地改革はそんな所。
アーサー殿下とはそのまま進展は無い感じかなぁ。恋愛全く進展なしよ。お互い忙しい事もあるけどね。
後、変わった事といえば、研究に時間を取りたいが為にリチャードと一緒に飛び級制度を利用して取れる単位を取ってる所。
リチャードは前にモーターの話後、私は一番原始的なモーターを作り、動かして見せた事でリチャードは感激し研究意欲を刺激したみたい。ごめんね、電池は作れなかったから雷魔法を指先でチリチリと流し込む形にしたの。でも、化学がこれで進歩するとイイネ。
リチャードは飛び級しても成績は常にいい。頭の出来がやっぱり違うね。
現在私は算学は卒業まで取れた。2年生になる頃には単位は全て取れる予定ではあるんだけど、卒業すると色々面倒ごとがあるので魔法実技だけ残してダラダラと学院の研究室に居座るつもり。
王族は全単位は取っているけど飛び級制度はないらしい。飛び級制度については就職時に成績も加味されるので官僚目指す人達はよっぽどの事が無い限り飛び級制度は使わないみたい。
やはり官僚目指す人は現実的ね。普段はそんな感じで勉強をしていてお昼はなるべくクラスのみんなとご飯を一緒にするようにしてる。
人脈大事。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます