第28話

 冬休みになると溜まってた王妃教育が鬼の様に降りかかる。私は幼少からの早期教育だったため(この間知った)他の方より頭ひとつ抜きに出ていて多少の免除はされたと思う。


 冬休みは何故か王宮で寝泊まりしながら王妃教育を行うみたい。他の候補者はお互い会わないように別々の平日に通いで来るそうな。解せぬ。


 毎日王宮での暮らしはやはり辛い。何が辛いって語学や王宮でのしきたりの勉強ばかりで研究が出来ない。リリーや父が居なければ心折れてたと思うわ。領地の事は兄に任せてあるから大丈夫だけどね。


 午前と午後少しは王妃教育で埋まり、空いた時間は王妃や殿下とお茶をするか魔法塔へ行き、魔法剣を父の部屋で作る。


王妃教育で削れた心を癒すため、無心になりながらひたすらに。ようやく3本目が完成。父もその出来栄えに惚れ惚れしている様子。


リカルド殿下の鞘や柄は白地に金の細工が施された物に。アーサー殿下には黒地に金の細工、リカルド殿下の護衛には白地に銀の細工がされている。


父はすぐさま陛下に謁見出来るように手配し、明日献上する事になった。

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