第24話

 私はリチャードと一緒に急いで生徒会室に向かう。部屋に入ってからは待機していたリリーと一緒に唐揚げ準備に取り掛かった。


闘技会の打ち上げを生徒会室で行うらしく、唐揚げを要求されているのだ。(大量に)王宮の料理をケータリングすればいいのではと思うのだが、生徒会の方々は熱々唐揚げを御所望。


こればかりは仕方がない。前もってリリーにはお願いしておいた食パン型で食パンを焼いてもらっていた。


 先にサンドイッチを作るわ。唐揚げとサンドイッチとくればフルーツポンチよね。流石に貴族の方々なので個別にグラスにフルーツを入れ、砂糖水に重曹を加えて待機。


あ、勿論重曹もこのために作りましたよ。私特製のポテチやリチャードに手配してもらったチーズ、ナッツ等のお八つも用意したよ。


私達の準備が整った頃に生徒会の方々がゾロゾロと部屋に入ってくる。事前に生徒会の方々の従者さん達には毒味をしてもらった。護衛のグレイは毒味というよりバクバク食べ尽くす勢いだったわ。



 皆が揃ったところで6年の生徒会長からの挨拶があり、凍らせたカクテルグラスが配られた。ここでも一工夫。


中身はレモネードなんだけど、少量の重曹と疲労回復のためのヒールを混ぜて小さな蝶の形にし、ヒラヒラと蝶を飛ばせて各グラスに降り注ぐようにした。


ほのかに光るレモンスカッシュに皆さん目を丸くしてる。内緒でリチャードとこの演出を何度も練習したんだよね。


 リチャードも得意属性では無いけど擦り傷程度なら回復させれるヒールの持ち主。やはり擦り傷程度の回復は治す傷に対して魔力ロスも多く、使う機会が殆どないらしい。


 今回はビュッフェスタイルにました。


「乾杯!」


生徒会長の掛け声とともに私はひたすら唐揚げ作り、リリーはサンドイッチを渡し、リチャードはレモン汁を加えて冷やしたフルーツポンチを作る。


生徒会の方々は感嘆の声を上げている。演出もさることながら初めての食べ物や味に驚いてるみたい。


兄は天使、天使煩く連呼している。各々今日の闘技会の事を談笑しながら食べている。流石育ち盛り。肉が飛ぶように売れていくわ。


 私はようやく唐揚げを揚げ終わり、サンドイッチを摘んでいると殿下達から作った魔法剣をどうするのか聞かれた。皆欲しいらしい。


試作品として作ったので1本は我が家の所有になるんだけど、残りの1本はリカルド殿下の護衛かグレイに進呈しようかと思っている事を伝えた。


だって試作品を殿下にあげるのは駄目よね。それに護衛として殿下を守るには少しでも強い方がいいしね。


リカルド殿下の護衛とグレイはどちらが使えるか言い合いとなり始めてる。両殿下はもらえなかった事がショックだったようで珍しく顔に出てる。


 後日両殿下ともらえなかった護衛の方には完成した魔法剣を進呈する事で落ち着いた。他の生徒会の方々は俺達も欲しいと不満の嵐でしたが。


闘技会の打ち上げも無事終了。生徒会の方々とは更に仲良くなれたのではないだろうか。



…ようやく闘技会も終わった。

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