第8話
兄にお願いをして取り寄せたゴムの木(仮)が植えられてから定着するまで数週間。うちの領地でも定着するか心配だったけど、大丈夫そう。
その間も私は欠かさず魔法の勉強も頑張ったわ。ようやく簡易魔法とされる水や火、風が出せるようになりました。使えるようになったと言うより、使う許可が降りたと言うべきかな。
初期魔術が使えるようになると小屋の作業も本格的にできるから楽しみ♪魔法の勉強も一応先生からは褒めて貰ってる。魔法を使う事が楽しくて楽しくて仕方ないんだもん。
魔法ってきっちりイメージしたら無唱詠で発動できるんだけど、想像力が物を言うみたい。前世のアニメありがとう。イメージで魔法が構成されるなら複合魔法や新しい魔法も生み出せそう。
治癒魔法も細胞を意識しながら治癒すると効果が変わるとか。でも、これは試せないよね。神殿行きまっしぐら。まぁ、治癒は追々だね。
もしかして魔法剣とか出来ちゃうのかな。まだ先生や兄の魔法しか見た事がないからどうなのか気になる。
あと、この世界には魔石は無いっぽい。ただ、魔力を通しやすい石や金属はあるみたい。蓄電池のような蓄魔術が出来ると良いと思うの。
あーやりたい事だらけ。とりあえずアイデアをメモしておこう。
さて、今日は採れたての樹液をバットに入れてゴミ取り。薬品を入れて混ぜ混ぜ。確か酸だったはずだけど詳しくは覚えてないので試すしかない。今回は少しだけにしてみた。伸ばして干せばあとは数日待つばかり。時間は膨大にある。色々チャレンジしてゴムを造るよ。
そういえば、今日は母に呼ばれてたんだっけ。
サロンに向かうと母はもう既にお茶の準備して待っていた。
「アイラ、お城にお茶をしに行きたくない?」
あ、これはもしや噂の王子様達との出会うお茶会ですか。
「…行かなくてはならないのでしょうか。気がすすみません。しかし、お父様やお母様の事を考えると出なくてはいけないないですよね」
他の子息も呼ばれているだろうし、一応婚約者候補を見つける目的なのかな。
面倒だな。
「ふふ。しょんぼり顔のアイラも可愛いけれど、こればかりは諦めてちょうだい。早速ドレスを選びましょう」
そう言って手を叩くと扉の向こうから商会の方々がゾロゾロとやってきて、採寸や試着という名の着せ替え人形にされてもうぐったり。母はその様子を見つつ和かにお茶してます。
絶対お茶会では空気になろうと思う。
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