第13話宣言

私は急いでみんなの元に向かい回復の魔法を使う。


先生は何かに気を取られているようで、

こちらをあまり気にしていないようだ。


「いてて」

と真綱君が目を覚まし、他のみんなも戦闘態勢に入った。


そして私は彼に切り掛かる。

彼の纏っている魔力のオーラ壁を切り裂き、

宣言する。


「私は今から殺される。だけどこの後、

お前は」と言おうとすると


ガハッ!?

口から突如血が出てくる。何故か声が出ない


「ふふ、さっきぶりですね。シエン。ごめんなさい。少し借ります。」


口が勝手に動き、自分の意志と関係ない言葉を喋り始めた。そして先生の方を向く。


「私は今キミの全てを握っています。」


その声に彼はこちらを向き怯えるような顔をし始めた。


「キミは私の従属であり、執事であり、

弟子であり、家族である。」

「しかし!こんな所で力を使われたら!

後で大変なことに!」

「この子は私であり、私はこの子である。

自分がキミにやられるぐらいなら自分から

命令させて死んだ方がいいかなって、だめ?」


と言うと彼女は彼に向けて指を指すと、


彼はちょっと笑っているようにも見えた。


「冷酷で、残忍で私に絶対の忠誠を誓う貴方に宣言します。この試験を今すぐ終わらせて。

キミは妹ととでも遊んでらっしゃい。」


と私の口が伝えると


彼はこちらにどこからか取り出した銃を向ける。


私に死の恐怖が身体を覆い尽くす。

初めて会った時とは比べ物にならない恐怖。


「やめてっ!しにたくないよぉ!」


必死に叫ぶ、身体がガクガクと震える。

真綱くん達の方を見るとただただ震えているだけだった。

先生の目には何の光もなく闇が宿っているようにも見えた。


「殺してやるよ、教えてやるよ、じっくりとなぁ!これが世界の真実だ!お前はのうのうと何も考えず、死の恐怖に怯えたりする事もなかっただろう!兵士はそんなバカみたいなお前達のために戦うんだよ!こんな臆病のガキが王になるだと!笑わせんじゃねぇよ!」


ひっと声が漏れる

 

物凄い衝撃波と共に彼が封印していた力は解放され、今はさっきの子供の姿ではなく全身白色の軍人の服を着ている、長い髪で女性のような姿になっていた。


「怖いよぉ!やめてよ!訓練なんでしょ!

もう良いでしょ!やめて!」


「模擬戦如きでで命乞いか、お前には失望した。」

「やめっ」

「少々痛ぶってやろうと思ったが、その必要はないな。死ね」


そして次の瞬間私は彼に撃ち抜かれて呆気なくやられた。


目の前に自分の鮮血が飛び散り、視界がぼやけていく。


そしてみんなが撃たれている姿を見てあぁ、終わりかと呟いた。消えていく、スローモーションになってゆっくりと迎えに来る終わりをただゆっくりと待ち続けた。


そして…


「さて、邪魔者は居なくなった。

じゃあ始めるか、私の可愛い妹達」


彼は長く伸びた髪を括り、銃をしまい。木刀を向けた。

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