第10話ついに動き出す

「あ〜やっと動ける〜ぶっちゃけ全員のステータスは見れたしもうする必要無いんだけどな〜」


と呟いた彼が急に消える。

「っ、どこにっ!」


探知の魔法にも当然引っかからない。

もう一度魔法を使うとした時、なぜか魔術が発動しない、腕からブチャと音が鳴る。

何故?パッと腕を見ると腕が肘の手前でちぎれていた。どくどくと血が垂れる。

その瞬間、死にたいと思える程の激痛が身体全身を貫いた。おそらく神経だけ残して腕を千切り、

腕の重さによって引っ張られる剥き出しの神経から途轍もない痛みがやってきているのだろう。


しかし私はなぜか冷静で、即座に回復魔法を使い回復する。

しかし、同じように腕をちぎられた他のみんなからはうわぁぁぁぁと叫ぶ声だけが聞こえ

その状況はまさに阿鼻叫喚だった。


「みんな!動け!回復魔法で治してやつを倒せ!まだ終わって無いぞ!」

そう真綱君が叫ぶと、みんなその声を聞き冷静になる。


落ち着いた彼らは回復魔法で完全復活を果たし、各々が力を振り絞りあるものは剣技で戦い、あるものは魔法、あるものは弓などみんなは死に物狂いで戦う。

あんな化け物にはこんな物通用しないと分かっていながら。


「みんな〜耐えろよ〜」みんながそう思っている時に先生が言い出した。


「は?」

その時天地がひっくり返った。

比喩でもなんでもない、本当に先生は島を握り逆向きにひっくり返してしまった。

彼は島の下側に指をめり込ませ落ちないようにしている。


「魔力無しが出して良い力じゃねーんだよ!」

「君達も鍛えればこうなれるさ」誰かの悲痛な叫びに先生は無慈悲に答える。


そして先生は全員が地面から離れた事を確認するとぐるんとまた島の向きを戻してしまう。

下は落ちすぎると失格になってしまう。

みんな地面を突き破り上へ行こうとする。

そして最初に登った人は人は一直線に彼を目指す。


バン!バババババン!とその人の穴の上側から爆発音が聞こえ煙が漂ってきた。

その人は身体に大火傷をして落ちていった。


「この島の地下には火の魔石が多くある!掘る時に魔力を使うと爆発する!このままじゃあ敵の思惑通りになるぞ!出来るだけ魔力を込めずにやるんだ!」


その後そのアドバイスの元、私達は突撃を繰り返したがとても難しい魔力操作が必要で魔石の爆発により大勢が落下し、二度と戻っては来なかった。


「これ以上人数が減るのはやばいよ。

役割分担をしていこう。」

「じゃあ紫炎は魔石がどこに埋まってるか感知して。私がスナイパーで撃ち抜いてその穴を真綱が広げる。

芽衣は幸運の力使って上手くいくようにして。」

…なんで私なんかがリーダーなんだろう。

玲華ちゃんは私よりもっとちゃんときた指示をしている。

他の2人も私より回復したり攻撃の援護をしたりしている。


「こんな助けてもらってばっかの私で良いのかな。」

「ん?助け合うのが仲間だろ?」

真綱くんはこっちを見てそう言った。

そうか、自分で出来ないのなら助け合えばいいんだ。

こんな所に連れてこられて、今も何でこんなことしてるんだろうって思ってる。

人の迷惑にしかなってない。だからこそ!

…私は、自分の出来ることを精一杯やるしかないよね。

「そこだ!」わたしが指を挿したところに弾は見事貫通する。


穴を広げながら急いで上に上がると

そこでは既に最高ランクの2人が戦っていた。


「6人とは随分減ったものだね。そろそろ大詰めかな?」


誰も彼に触れることすら出来なかった。


「残ったのは、最高ランクの2人と幸運持ちとスナイパーと暴走魔竜と新人か」


と彼はいった。


瞬間、彼は私を木の棒で叩いた。

やられた、と確信したが、なぜか何もない。


するとガァァァア!!!とみんなの叫び声が響き渡る。


「ねぇ?もしも、君のうけたダメージがなかまにうつされるとしたらどうする?」

こちらに何かを蹴飛ばしてきた。


キァァァと私は悲鳴を上げる

「たとえば、これにとか?」

ニタァと笑いながら彼はそれを踏みつけた。

それは絶対にあってはいけない物、

それは千切れた母の頭部だった。


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