第3話ありえない世界

どうしてこうなった?と自分に問いかける。


彼は可哀想だ、目の模様が描かれたお札で顔が隠れていても分かるほどやつれている。

何かキョンシーみたい。さっきもキョンって呼ばれてたし。


「あのー大丈夫ですか?」

「あぁすみません」

少し掠れた声が聞こえた。


立ち上がろうとする彼

「無理に起きるのは、」


止めようとしようとしたその時ふらっと彼の身体がよろついた。

私は慌てて彼の身体を支えるが、その時驚くべきことに気づいた。

身長190センチはあるような高身長なのに簡単に支えられるくらいの軽さだったのだ。



母さん、この人にどんな事をしてきたんだろな。

さっきのあれやいつものを思い出すと扱いは酷かっただろうに。


とりあえずさっきのベットに彼を寝かせている間に私は状況の整理を始めた。


「まずここは異世界みたいな別の空間じゃない。世界の中心って言ってたけど星単位ならまだ私の理解の範疇って事だ。」


そう考えるとますます分からない。


「いくらあの母親でも、ただの一人間がこんな事が出来るのか?」


最早半ば現実逃避しながらも

最後の希望をたくし、大きな窓を開けて

私は外の状況を見ることにした。


「わぁ」と感嘆の声が出た。


宇宙に伸びる巨大な木や紫のモヤに包まれた場所もあればまさに中世の時代に戻ったような美しい街並みが広がっていた。 


目に飛び込んできたさまざまな美しい景色は私の心を強く打ち、地球では絶対に見れる筈のないこの景色にとても感動していた。


しかしその中で

それは完全にここが地球ではないと言う裏付けにもなってしまった事への危機感も感じていた。

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