2話目海のこと。
お母さんの電話が終わると、
「はぁ~、海、一回帰るぞ。」
と言うと
「なんで?」
と聞いてきたので、海が持っているキャリーバックを指さして
「荷物を置きに行くんだよ」
と答えると「うん!わかった!」と言って俺の隣に来る。
家まで距離があるので
「何で女装してんの?」
と聞くと
「しいて言うなら、可愛い服が好きだから!」
と髪を触りながら答えた。海は小さい時に嘘をついているときはよく髪の毛を触っていたので
「なあ、俺に嘘をついていないか?同棲するうえでそういうのはなしにしようぜ。」
と俺が言うと
「どんな理由であっても引かない?」
と聞いてきたので「ああ、引かないよ」と答えると、覚悟を決めた表情で
「僕、体は男だけど、中身は女なんだ。だから、女の格好をしてるんだ。男の格好をしていると落ち着かなくて。だから、下着も女の子のだよ?」
と答えた。
「そうなんだ。良かったな。おばさんが理解ある人で。」
と俺が言うと
「こ―君はわた…僕のことをどう思う?」
と聞いてきたので
「一人称は”私”でもいいよ。それと、めちゃくちゃ可愛い。」
と言うと
「いいの?」
と子猫を拾ってきたみたいな顔をしたので
「いいぞ!自分を抑えつけるな。楽にしろ」
と俺は海の目を見て言う。すると、俺の右手に何か触れる感じがしたので見てみると、海が俺の手を握っていた。
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