#29 ねーちゃんの活動
土日祝日になると、夏休みと同じようにドチラかの家で過ごす。
最近は俺んちの方のが多いかな
キヨカの家だとだいたいエッチ始まっちゃうから、俺が少し遠慮しているところがある。
あとは、ねーちゃんとキヨカが仲良くなって、ねーちゃんがキヨカのことを可愛がってくれてるのもあるからか。
だからキヨカがウチに来ると、よく3人で食事したりする。
今日も3人で食事をして、食後にお茶を飲みながらお喋りを始めた。
「セツナさんセツナさん、たまにはじっくり私ともお喋りしましょうよ。 部屋に閉じこもってばかりなんて勿体ないですよ?」
以前なら、ねーちゃんにこんなこと言い始めたら即ストップをかけるところだけど、今のねーちゃんとキヨカなら大丈夫だろうと思えるので、キヨカに任せる。
「う~ん、色々やることあるから閉じこもってても忙しいのよ」
「え?部屋でなんかしてるんですか?」
「まぁそうねぇ・・・」
「え?なんですなんです? 面白いことでもしてるんですか?」
ちょっと意外だった。
ねーちゃんは部屋に閉じこもって、ゴロゴロしてるだけかと思ってたから、忙しいって言うことにちょっと驚いた。
「面白いかどうかって言ったら、私にとっては面白いわね。 でも恥ずかしいからこれ以上は言えないわ」
「エー、なんか勿体ぶってますねぇ。 教えて下さいよぉ~ かわいいかわいい未来の義妹のお願いなんですよぉ♡」
でた、キヨカ得意の甘えモードだ。
俺はコレで何度も堕とされた。
「むむぅ・・・仕方ないわね・・・少し待ってなさい」
そう言って、ねーちゃんは席を立ち、自室に何かを取りに行った。
流石姉弟、俺と一緒でねーちゃんもチョロイな。
自室から戻って来ると、ノートPCを持ってきた。
ねーちゃんは黙って俺とキヨカの前にPCを置きディスプレイを開いて見せる。
画面には、小説投稿サイトの画面
『ん? 小説?』
「うん、小説書いてこのサイトに投稿してるの」
「ほうほうほう!なるほどなるほど! 確かに面白くて忙しいっていうのは、なんか分かりますね! ネット小説ですか!」
「そうなの。 すること無いし、お金掛かることは親に迷惑かけちゃうから出来ないでしょ? それで以前からこのサイトの小説を読んでて、暇だし自分でも書いてみようかって思って小説書き始めたら、すっごいハマってしまってね」
「へぇ~ほぉ~なるほどぉ~、で、どの小説がセツナさんの書いた作品なんです? ペンネームは何て言うんです?」
「そ、それは勘弁してよ! 身内に自分が書いた小説読まれるなんてそんな羞恥耐えられないわよ! タイトルだけでも知られたら切腹ものよ!」
「いやいやいや、ココまで来てそれは無いですよぉ~」
「無理無理無理!」
『キヨカ、その辺で止めろって』
「むぅ、ダーリンがそう言うのなら、今日のところは諦めましょう」
「そうして頂戴・・・っていうか、キヨカちゃん、最近私にまで遠慮が無いわね」
「何言ってるんですか! 未来のお義姉さんなんですよ!遠慮なんてしませんよ! 家族同然なんですから!」
「キヨカちゃんのそういうトコロ嫌いじゃないんだけどね・・・でも小説のことは無理な物は無理だから」
ねーちゃんがどんな小説を書いているかは、正直言って気になるが、まぁ身内には見せられないっていうのは何となく理解出来る。
でも、安心した。
何もせずに目標も無くただ引きこもって無駄に時間を過ごしてるんじゃなくて、趣味でも何でもいいから目標を持ってくれてるんじゃないかって思えて、そのことが嬉しいし安心もした。
因みに、キヨカの嫁アピール(未来の義妹とかの発言)は、いまや東雲家では誰もそれに触れることなく、至極当然のこととして受け入れられている。
当の俺自身も当たり前のこととして聞き流しているが、ふとした時に『コレってもはや洗脳なのでは!?』と我に返ることもあるけど『まぁいっか、面白いし』と、結局受け入れてしまっている。
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