#16 鈴宮キヨカのラブコメ的告白
飯塚にトドメを刺した鈴宮は、これまで以上にご機嫌でハイテンションで、ウチに遊びに来ても、書庫よりも俺の部屋に入り浸って、ゴロゴロしたりベタベタしたりして、もう俺の前だと遠慮なしだった。
そのくせ他の人の前だと、以前と同じようにお澄ましして大人しい優等生のフリしてんだよな。
まぁ、ウチのクラスだと、ウソとは言え処女あげた宣言してたから、既に手遅れだけど。
なんとか「あれウソだぞ!あれは飯塚凹ませる為に、鈴宮がわざとウソ言ってただけだからな!」って俺がみんなに必死に訴えたからみんな分かってくれたけど、鈴宮の大人しそうでいつもニコニコ笑ってるっていうイメージは崩れてたね。
キレると何するかわからない暴れん坊? 大人しそうに見えて実はぶっ飛んでる?とかそんなイメージになってると思う。
『っていうか、鈴宮さん。君、気になる男子が居るって言う話、ウソでしょ?』
「藪から棒にどうしました?急に」
『いや、普通気になる男子が居たら、他の男の家で平気な顔してゴロゴロしないでしょ!』
「はぁ・・・相変わらずなんですね・・・」
『なにがさ!? 鈴宮さん、たまに呆れ顔して意味不明なこと言うけど、なんなのさ!』
「セージくん、もうこの際だから言います」
『おう』
「前に気になってるって言ってた人に、私ちゃんとアプローチしてますよ」
『お?そうなの? じゃあなんで俺んち来てるのさ』
「だって、私の気になる男子ってセージくんだもん・・・」
『へぇ・・・・え?俺?』
「うん・・・・」
『いやいやいや・・・いやいやいやいやいや・・・』
そう言われてみれば、思い当たるフシが・・・・いっぱい有るな!おい!
なぜ気付かなかったし俺!
「因みに、この勢いに乗って言いますけど! 今は”気になる男子”飛び越えて”好きすぎてお嫁んさんにして欲しい男子”ですからね!」
『はぁ!?お嫁さん!? って、前に昼ご飯ご馳走してくた時にお嫁さんがどうのこうの言ってたのって、マジな奴だったのか!?』
「そうですよ! 鈍感なセージくんには全く伝わってませんでしたけど、ね!」
『・・・ハッ!まさか・・・しつこく勝負下着ネタ言ってたのも、マジなやつなの・・・?』
「もちろんマジですよ!おおマジですよ! 直ぐにでも美味しく頂いて欲しいんですよ!」
『マジだったのか・・・てっきり持ちネタだと思ってた・・・だから友達同士のノリで俺もツッコミ入れてたんだけどな・・・』
そうか、鈴宮って女子だもんな
俺にとっては面白い女友達でも、鈴宮は恋に恋する乙女なんだよな
改めて鈴宮の顔を無言で正面から見つめる。
う~ん、可愛いとは思うんだけどな・・・
おっぱい大きいし
ただ、長いこと飯塚に付き纏われてた反動なのか、色々と暴走気味なんだよな
それがちょっと重いというか・・・この歳でお嫁さんとか言いだしてるし。
あ、おっぱい重いのは大歓迎です。
う~ん
以前は飯塚って言う地雷が付いてたから、恋愛対象としては除外してたけど、言われてみれば今ならアリなのか・・・
おっぱい大きいし
『鈴宮さんや、因みにだけど、俺のドコを見て好きになったの? だって俺って軽そうでしょ?鈴宮さんとはジャンル違うでしょ?』
「ジャンルなんてどうでも良いですよ! 好きになった理由なんて山ほどありますから! 趣味の読書が一緒で読む本の好みもバッチリ合うし、私が悩んでると口に出してないのに察して気遣ってくれるし、愚痴や悩みいっぱい言っても文句言わずに全部聞いてくれるし、それに悩みを解決するためにちゃんとアドバイスもくれるし、一緒に居ても気を遣わなくて気楽だし、大福買ってきてくれたし、お汁粉食べにも連れて行ってくれたし、ご飯作ったら残さず全部食べてくれるし、もう好きな気持ちがインフレ起こして、好きが当たり前すぎて、私の脳みその中じゃ既に結婚済ませて子供3人目作ってるところですからね! あ、因みにですが普通の大福より豆大福のが好きですんで」
『へ、へぇ・・・・子供3人目なんだ・・・大変だね』
やっぱり鈴宮、変な奴。
まぁ、でも、相変わらず面白い女ではあるな、うん
おっぱい大きいし
「で、どうなんですか! 私はココまでハッキリと言いましたよ! 次はセージくんの番ですよ!」
ううう
やっぱりハッキリしないとダメだよな・・・
『わかったよ・・・鈴宮さん・・・』
「・・・・ゴクリ」
『保留だ! もう少し考えさせてくれ!』
「クッ!ココに来て保留とか、ヘタレ!いくじなし!陽キャのくせにお人好し!根性なし!おっぱい見すぎ!ヘタレおっぱい!」
『飯塚の時より容赦ねーな! いや、待ってくれ! 鈴宮さんにとってはずっと前からの話でも、俺にしたら遂さっき知ったばかりなんだよ! ゆっくり考える時間くれたっていいだろ? っていうか、ヘタレおっぱいってなんだよ!いきなり笑わせるなよ!』
「ぐぬぬぬぬ、なら条件があります」
『嫌な予感しかしないんだけど、一応聞いてみる』
「私のことも、いい加減名前で呼んで下さい! キ・ヨ・カ♡って!」
『エェ~・・・なんかソレって偉そうじゃない? どうしても飯塚の勘違い俺様系のイメージが強くてさ』
「た、確かに・・・でも、そのイメージを払拭する為にも、セージくんが上書きして下さい! それが出来るのは愛しのダーリンしか居ませんよ!!!」
『ダーリンじゃないんだけどな・・・まぁ、でもその気持ちも分かるし、別にいいか?』
「うん!お願いします!セージくん♡」
『分かったよ・・・き、キヨカ・・・?』
あ、鈴宮が鼻血噴き出した。
「は、破壊力、バツ・・グン・・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます